不動産登記法第12条

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法学民事法不動産登記法コンメンタール不動産登記法

条文[編集]

(登記記録の作成)

第12条
登記記録は、表題部及び権利部に区分して作成する。

解説[編集]

本条の趣旨[編集]

本条は、登記記録の意義について定めたものである。

表題部には表示に関する登記が記録され(不動産登記法第2条第7号)、権利部には権利に関する登記が記録される(同法第2条第8号)。

登記記録の編成[編集]

土地の表題部[編集]

土地の登記記録の表題部が区分される欄及び各々の欄に記録される事項は以下のとおりである(不動産登記規則第4条第1項・同規則別表1

記録される事項
地図番号欄 地図の番号並びに筆界特定の年月日及び手続番号
土地の表示欄 不動産番号欄 不動産番号
所在欄 所在
地番欄 地番
地目欄 地目
地積欄 地積
原因及びその日付欄 登記原因及びその日付
河川区域内又は高規格堤防特別区域内、樹林帯区域内、特定樹林帯区域内若しくは河川立体区域内の土地である旨
閉鎖の事由
登記の日付欄 登記の年月日
閉鎖の年月日
所有者欄 所有者及びその持分

区分建物でない建物の表題部[編集]

区分建物でない建物の登記記録の表題部が区分される欄及び各々の欄に記録される事項は以下のとおりである(不動産登記規則第4条第2項同規則別表2

記録される事項
所在図番号欄 建物所在図の番号
主たる建物の表示欄 不動産番号欄 不動産番号
所在欄 所在(附属建物の所在を含む。)
建物の名称があるときは、その名称
家屋番号欄 家屋番号
種類欄 種類
構造欄 構造
床面積欄 床面積
原因及びその日付欄 登記原因及びその日付
建物を新築する場合の不動産工事の先取特権の保存の登記における建物の種類、構造及び床面積が設計書による旨
閉鎖の事由
登記の日付欄 登記の年月日
閉鎖の年月日
附属建物の表示欄 符号欄 附属建物の符号
種類欄 附属建物の種類
構造欄 附属建物の構造
附属建物が区分建物である場合における当該附属建物が属する一棟の建物の所在、構造、床面積及び名称
附属建物が区分建物である場合における敷地権の内容
床面積欄 附属建物の床面積
原因及びその日付欄 附属建物に係る登記の登記原因及びその日付
附属建物を新築する場合の不動産工事の先取特権の保存の登記における建物の種類、構造及び床面積が設計書による旨
登記の日付欄 附属建物に係る登記の年月日
所有者欄 所有者及びその持分

区分建物である建物の表題部[編集]

区分建物である建物の登記記録の表題部が区分される欄及び各々の欄に記録される事項は以下のとおりである(不動産登記規則第4条第3項同規則別表3

記録される事項
一棟の建物の表題部
専有部分の家屋番号欄 一棟の建物に属する区分建物の家屋番号
一棟の建物の表示欄 所在欄 一棟の建物の所在
所在図番号欄 建物所在図の番号
建物の名称欄 一棟の建物の名称
構造欄 一棟の建物の構造
床面積欄 一棟の建物の床面積
原因及びその日付欄 一棟の建物に係る登記の登記原因及びその日付
建物を新築する場合の不動産工事の先取特権の保存の登記における建物の種類、構造及び床面積が設計書による旨
閉鎖の事由
登記の日付欄 一棟の建物に係る登記の年月日
閉鎖の年月日
敷地権の目的たる土地の表示欄 土地の符号欄 敷地権の目的である土地の符号
所在及び地番欄 敷地権の目的である土地の所在及び地番
地目欄 敷地権の目的である土地の地目
地積欄 敷地権の目的である土地の地積
登記の日付欄 敷地権に係る登記の年月日
敷地権の目的である土地の表題部の登記事項に変更又は錯誤若しくは遺漏があることによる建物の表題部の変更の登記又は更正の登記の登記原因及びその日付
区分建物の表題部
専有部分の建物の表示欄 不動産番号欄 不動産番号
家屋番号欄 区分建物の家屋番号
建物の名称欄 区分建物の名称
種類欄 区分建物の種類
構造欄 区分建物の構造
床面積欄 区分建物の床面積
原因及びその日付欄 区分建物に係る登記の登記原因及びその日付
共用部分である旨
団地共用部分である旨
建物を新築する場合の不動産工事の先取特権の保存の登記における建物の種類、構造及び床面積が設計書による旨
登記の日付欄 区分建物に係る登記の年月日
附属建物の表示欄 符号欄 附属建物の符号
種類欄 附属建物の種類
構造欄 附属建物の構造
附属建物が区分建物である場合におけるその一棟の建物の所在、構造、床面積及び名称
附属建物が区分建物である場合における敷地権の内容
床面積欄 附属建物の床面積
原因及びその日付欄 附属建物に係る登記の登記原因及びその日付
附属建物を新築する場合の不動産工事の先取特権の保存の登記における建物の種類、構造及び床面積が設計書による旨
登記の日付欄 附属建物に係る登記の年月日
敷地権の表示欄 土地の符号欄 敷地権の目的である土地の符号
敷地権の種類欄 敷地権の種類
敷地権の割合欄 敷地権の割合
原因及びその日付欄 敷地権に係る登記の登記原因及びその日付
附属建物に係る敷地権である旨
登記の日付欄 敷地権に係る登記の年月日
所有者欄 所有者及びその持分

権利部[編集]

権利部は甲区及び乙区に区分され、甲区には所有権に関する登記の登記事項を記録することとされ、乙区には所有権以外の権利に関する登記の登記事項を記録することとされている(不動産登記規則第4条第4項)。

移記又は転写[編集]

登記官は、登記を移記し又は転写するときは、法令に別段の定めがある場合を除き、現に効力を有する登記のみを移記し、又は転写しなければならない(不動産登記規則第5条第1項)。

そして、登記官は、登記を移記し又は転写したときは、その年月日を新たに記録した登記の末尾に記録しなければならず(不動産登記規則第5条第2項)、登記を移記したときは、移記前の登記記録を閉鎖しなければならない(同規則第5条第3項)。

例えば、登記簿のコンピュータ化による移記については、以下のように記録される。

昭和63年法務省令第37号附則第2条第2項の規定により移記
平成何年何月何日

また、登記官は、登記記録に記録されている事項が過多となったことその他の事由により取扱いが不便となったときは、登記を移記することができ、この場合、表示に関する登記及び所有権の登記であって現に効力を有しないものも移記することができるとされている(不動産登記規則第6条)。

なお、登記官は、登記を移記し又は転写するときは、登記官の識別番号を記録しなければならない(不動産登記規則第7条前段)。

登記記録のバックアップ[編集]

登記記録のバックアップデータについては、法務大臣及び登記官を監督する法務局又は地方法務局の長は、副登記記録を調整することとされている(不動産登記規則第9条)。

この副登記記録は、登記記録が滅失した場合の回復手続(不動産登記法第13条)に使用されるほか、一時的なシステム障害の場合においても使用される。具体的には、登記事項証明書又は登記事項要約書の作成の場合について、規定がある(不動産登記規則第199条

登記記録の閉鎖[編集]

登記官は、登記記録を閉鎖するときは、閉鎖の事由及びその年月日を記録するほか、登記官の識別番号を記録しなければならず、登記記録の全部を閉鎖するときは、閉鎖する登記記録の不動産の表示(不動産登記法第27条第1号に掲げる登記事項を除く)を抹消する記号を記録しなければならない(不動産登記規則第8条)。ただし、区分建物である建物の登記記録を閉鎖する場合で、当該登記記録の閉鎖後においても当該閉鎖建物が属する一棟の建物に他の建物(附属建物として登記されているものを除く)が存することとなるときは、閉鎖建物の登記記録に記録された、以下掲げる事項を抹消する記号を記録することを要しないとされている(不動産登記規則第117条第1項柱書及び各号)。

  • 一棟の建物の所在する市・区・郡・町・村・字及び土地の地番
  • 一棟の建物の構造及び床面積
  • 一棟の建物の名称があるときは、その名称
  • 不動産登記規則第116条第1項の規定により記録されている当該他の建物の家屋番号

上記の場合には、登記官は、閉鎖建物が属する一棟の建物に属する他の建物の登記記録に記録されている当該閉鎖建物の家屋番号を抹消する記号を記録しなければならない(不動産登記規則第117条第2項)。上記以外の場合において、区分建物である建物の登記記録を閉鎖するときは、登記官は、閉鎖建物の登記記録及び当該閉鎖建物が属する一棟の建物に属する他の建物の登記記録(閉鎖されたものも含む)の、上記に掲げる事項を抹消する記号を記録しなければならない(同規則第117条第3項)。

登記記録が閉鎖される場合及びその登記記録で、不動産登記規則に規定があるもの及び関連するものについては、上記の登記を移記した場合のほか、以下の場合である。

  • 甲登記所から乙登記所へ、管轄転属による登記記録を移送した場合の、甲登記所の登記記録(不動産登記規則第32条第2項・第1項)
  • 甲土地を乙土地に合筆する合筆の登記をする場合における、甲土地の登記記録(不動産登記規則第106条第2項・第1項)
  • 土地の滅失の登記をする場合における、当該土地の登記記録(同規則第109条
  • 建物の合体の登記をする場合における、合体前の建物の登記記録(同規則第120条第9項同規則第144条第1項
  • 敷地権付き区分建物について、敷地権であった権利が消滅したことによる建物の表題部に関する変更の登記をするとき又は敷地権付き区分建物の滅失の登記をするときで、当該敷地権の目的であった土地の登記記録の権利部の相当区に同規則第124条第3項の規定により転写すべき登記に後れる登記がある場合における、当該敷地権の目的であった土地の登記記録の権利部の相当区(同規則第124条第4項・第3項・第2項・第1項後段、同規則第145条第1項
  • 敷地権付き区分建物について、敷地権の不存在を原因とする建物の表題部に関する更正の登記をしたときで、不動産登記法第73条第1項本文の規定により敷地権の移転の登記としての効力を有する登記がある場合における、当該敷地権の目的であった土地の登記記録の権利部の相当区(同規則第126条第3項・第2項・第1項、同規則第124条第4項
  • 区分建物でない甲建物を区分して甲建物と乙建物とする建物の区分の登記をする場合における、区分前の甲建物の登記記録(同規則第129条第2項・第1項)
  • 甲建物を乙建物の附属建物とする建物の合併の登記をする場合における、甲建物の登記記録(同規則第132条第3項・第1項)
  • 区分建物である甲建物を、乙建物又は乙建物の附属建物に合併する建物の合併(乙建物又は乙建物の附属建物が甲建物と接続する区分建物である場合に限る。以下「区分合併」という。)に係る建物の合併の登記をする場合における、甲建物の登記記録(同規則第133条第2項・第1項)
  • 区分合併(甲建物を乙建物の附属建物に合併する場合を除く)に係る建物の合併の登記をするときに、区分合併後の建物が区分建物でない場合における、区分合併前の乙建物の登記記録(同規則第133条第4項・第3項)
  • 区分建物でない甲建物を区分してその一部を乙建物の附属建物とする登記をする場合における、区分前の甲建物の登記記録(同規則第137条第2項・第1項)
  • 区分建物でない建物が区分建物となった旨の変更の登記(不動産登記法第52条第1項・第3項)をする場合における、変更前の建物の登記記録(同規則第140条第3項・第1項)
  • 区分合併以外の原因により、区分建物である建物が区分建物でない建物となった旨の変更の登記をする場合における、変更前の区分建物の登記記録(同規則第140条第4項・第3項)
  • 建物の滅失の登記をする場合における、当該建物の登記記録(同規則第144条第1項
  • 所有権の保存の登記を抹消する場合で、不動産登記法第74条第1項第1号後段の規定により相続人が申請したもの及び同法第74条第2項の規定により申請されたもの以外の登記を抹消する場合における、当該登記記録(1961年(昭和36年)9月2日民甲2163号回答・1984年(昭和59年)2月25日民三1085号通達)

なお、土地に関する閉鎖登記記録の保存期間は、閉鎖した日から50年間であり(不動産登記規則第28条第4号)、建物に関する閉鎖登記記録の保存期間は、閉鎖した日から30年間である(同規則第28条第5号)。

登記記録の廃棄[編集]

登記所において閉鎖登記記録を廃棄するときは、法務局又は地方法務局の長の認可を受けなければならない(不動産登記規則第29条)。そして、登記官は、この認可を受けようとするときは、不動産登記事務取扱手続準則(2005年(平成17年)2月25日民二第456号通達。以下「同準則」という。)別記第31号様式による認可申請書を提出しなければならない(同準則第23条第1号)。この申請書の様式は以下のとおりである。

帳簿等廃棄認可申請書

参照条文[編集]

不動産登記法第2条

参考文献[編集]

  • 小池信行・藤谷定勝監修 不動産登記実務研究会編著 『Q&A権利に関する登記の実務I 第1編総論(上)』 日本加除出版、2006年、219・220頁、ISBN 4-8178-3746-2
  • 小宮山秀史 「逐条解説不動産登記規則(3)」『登記研究』693号、テイハン、2005年、175-178頁

前条:
不動産登記法第11条
(登記)
不動産登記法
第3章 登記記録等
次条:
不動産登記法第13条
(登記記録の滅失と回復)
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