不動産登記法第5条

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条文[編集]

(登記がないことを主張することができない第三者)

第五条
  1. 詐欺又は強迫によって登記の申請を妨げた第三者は、その登記がないことを主張することができない。
  2. 他人のために登記を申請する義務を負う第三者は、その登記がないことを主張することができない。ただし、その登記の登記原因(登記の原因となる事実又は法律行為をいう。以下同じ。)が自己の登記の登記原因の後に生じたときは、この限りでない。

解説[編集]

本条の趣旨[編集]

本条は、民法第177条にいわゆる第三者を制限した規定である。

民法第177条にいわゆる第三者には文言上制限がないが、これから背信的悪意者を除外するのが判例・通説である(詳細は民法第177条及び背信的悪意者の解説を参考のこと)。この背信的悪意者の例が本条に掲げられた者である。

第1項の意義[編集]

詐欺又は強迫の意義についてはそれぞれのWikipediaでの記述を参考にされたい。
「登記の申請を妨げた」とは、登記申請そのものを妨げた場合に限らず、詐欺行為によって、登記申請を成し得ない状態を惹起する場合をも包含する。なぜなら、本条は詐欺・脅迫等の不信行為によって登記欠缺の原因をあたえ不正の利益を図る第三者は、登記欠缺を主張するについて正当の利益を有しない者として扱う旨の規定だからである(東京地判昭和28年5月16日下民集4巻5号723頁)

第2項の意義[編集]

A→B,A→Cと二重に売買が行われた場合において、CがBのために移転登記の申請をする義務を負う者である場合において、A→Bの売買が先の場合にたとえC名義の登記がされたとしても、本項の本文にあたり、CはBに対抗することはできない。自己の義務を怠って自己名義を獲得しようとすることは正義に反するからである。しかし、A→Cの売買が先の場合にもCが登記をもってしてもBに対抗できないとするのは自由競争の理念に反するので、本条但書によりCはBに対抗することができる。以上が本項の趣旨である。
「他人のために登記を申請する義務を負う第三者」とは登記権利者に代わり登記を申請する義務のある者をいう。例としては株式会社の代表取締役や遺言執行者、登記の申請の依頼を受けた司法書士などがある。この点、判例は破産管財人がこれに当たるかどうかについて、破産管財人は破産者の代理人ではなく、破産債権者のために公の執行機関たる職務を行う者であるとして、これを否定している(大判昭和8年7月22日新聞3591号14頁)。

参照条文[編集]

参照判例[編集]


前条:
不動産登記法第4条
(権利の順位)
不動産登記法
第1章 総則
次条:
不動産登記法第6条
(登記所)
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