民法第96条

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法学民事法民法コンメンタール民法第1編 総則 (コンメンタール民法)

条文[編集]

詐欺又は強迫

第96条
  1. 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
  2. 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
  3. 前2項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。

改正経緯[編集]

2017年改正により、以下のとおり改正された。

  • 第2項
    • (改正前)相手方がその事実を知っていたときに限り
    • (改正後)相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、
  • 第3項
    • (改正前)善意の 第三者に
    • (改正後)善意でかつ過失がない第三者に

解説[編集]

  • 詐欺又は強迫により瑕疵を帯びた法律行為は原則として取り消すことができる旨を規定している。ただし、詐欺の場合においては、欺かれた者の帰責性も大きいため、取り消しに上記の制約が設けられている。なお、取消権者や取消しの効果については、民法第120条に規定がある。
  • 「相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合」の例
    • 債務者が、虚偽の信用情報を与えるなどして保証人を欺いて保証契約を締結させた場合
      この場合、相手方は債権者であり、債権者が、債務者と共謀するなどしてその事実を知っていたか知り得た場合、当該保証人は保証契約を取り消しうる。
  • 解釈上の問題として、取り消しの直接的効果を受ける第三者の範囲は、一般に取消前に登場した人とされ,取消後に登場した第三者は、善意・悪意を問われず民法第177条の対抗要件の問題とされる。
  • 詐欺については,第三者要件として無過失性が必要かという点も論点となっていたが、2017年改正で「かつ過失がない」を加え、過失(慣習上必要とされる確認等の懈怠)がある場合は対抗できないものとした。
  • 第3項の「第三者」は民法第94条2項における善意の第三者と同義であり、当事者及びその包括承継人以外の者で詐欺もしくは強迫によって形成された法律関係の外形を信頼して新たな法律関係に入った者をさす。よって単に反射的利益を得ている者、取消後の第三者は、含まれない。

参照条文[編集]

判例[編集]

関連項目[編集]

前条:
民法第95条
(錯誤)
民法
第1編 総則

第5章 法律行為

第2節 意思表示
次条:
民法第97条
(隔地者に対する意思表示)


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