刑事訴訟法第99条

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法学コンメンタールコンメンタール刑事訴訟法=コンメンタール刑事訴訟法/改訂

条文[編集]

(証拠物等の差押え・提出命令)

第99条
  1. 裁判所は、必要があるときは、証拠物又は没収すべき物と思料するものを差し押えることができる。但し、特別の定のある場合は、この限りでない。
  2. 差し押さえるべき物が電子計算機であるときは、当該電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であつて、当該電子計算機で作成若しくは変更をした電磁的記録又は当該電子計算機で変更若しくは消去をすることができることとされている電磁的記録を保管するために使用されていると認めるに足りる状況にあるものから、その電磁的記録を当該電子計算機又は他の記録媒体に複写した上、当該電子計算機又は当該他の記録媒体を差し押さえることができる。
  3. 裁判所は、差し押えるべき物を指定し、所有者、所持者又は保管者にその物の提出を命ずることができる。

改正経緯[編集]

2011年改正により、第2項を新設。それに伴い旧・第2項を第3項へ繰り下げ。

解説[編集]

参照条文[編集]

判例[編集]

  1. 取材フイルム提出命令に対する抗告棄却決定に対する特別抗告(最高裁決定 昭和44年11月26日)憲法21条刑訴法262条刑訴法265条
    1. 報道および取材の自由と憲法21条
      報道の自由は、表現の自由を規定した憲法21条の保障のもとにあり、報道のための取材の自由も、同条の精神に照らし、十分尊重に値いするものといわなければならない。
    2. 報道機関の取材フイルムに対する提出命令の許容される限度
      報道機関の取材フイルムに対する提出命令が許容されるか否かは、審判の対象とされている犯罪の性質、態様、軽重および取材したものの証拠としての価値、公正な刑事裁判を実現するにあたつての必要性の有無を考慮するとともに、これによつて報道機関の取材の自由が妨げられる程度、これが報道の自由に及ぼす影響の度合その他諸般の事情を比較衡量して決せられるべきであり、これを刑事裁判の証拠として使用することがやむを得ないと認められる場合でも、それによつて受ける報道機関の不利益が必要な限度をこえないように配慮されなければならない。

前条:
第98条
(保釈の取消等の場合の収監手続き)
刑事訴訟法
第1編 総則
第9章 押収及び捜索
次条:
第99条の2
(記録命令付差押え)
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