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刑法第197条の2

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
  1. 法学刑事法刑法コンメンタール刑法
  2. 法学コンメンタールコンメンタール刑法

条文

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(第三者供賄)

第197条の2
公務員が、その職務に関し、請託を受けて、第三者に賄賂を供与させ、又はその供与の要求若しくは約束をしたときは、5年以下の拘禁刑に処する。

改正経緯

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2022年、以下のとおり改正(施行日2025年6月1日)。

(改正前)懲役
(改正後)拘禁刑

解説

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Wikipedia
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ウィキペディア賄賂罪#収賄罪の記事があります。

参照条文

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判例

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  1. 加重収賄(最高裁判決 昭和29年08月20日)
    1. いわゆる第三者収賄罪の成立と第三者の意義
      刑法第197条ノ2の罪が成立するためには、公務員が其の職務に関する事項につき、依頼を受けてこれを承諾し、供与者が第三者に供与した利益がその公務員の職務行為に対する代償たる性質を有すれば足り、右第三者は個人たると地方公共団体その他の法人たるとを問わない
    2. いわゆる第三者収賄罪において第三者たる法人が賄賂を収受した場合の沒収、追徴の要件
      刑法第197条ノ2の罪において第三者たる法人の代表者が賄賂であることを知つて賄賂を法人のため受け取つたときは、その法人は同法第197条ノ4にいわゆる「情ヲ知リタル第三者」にあたり法人から右賄賂を沒収しまたはその価額を追徴することができる。
  2. 収賄、受託収賄、第三者収賄、贈賄(最高裁判決  昭和40年4月28日)刑法第197条の5
    1. 刑法第197条の2、第197条の5にいう第三者にあたるものとされた事例。
      農業協同組合の支部が、独立の会計を有していることなどにより、独立の団体としての実質を具えているものと認められる場合には、その支部は、刑法第197条の2、第197条の5にいう第三者にあたるものと解される。
      • 刑法第197条の2及び第197条の5にいわゆる第三者供賄罪に関して、没収又は追徴を命ぜられる第三者とは、必ずしも自然人に限られず、法人は固より、法人格を有しない団体であつても、代表者の定めある独立の団体として、財産を保有し得るものであれば足り、その団体が犯罪能力又は刑訴法上当事者能力を有するか否かは問うところではない。
    2. 刑法第197条の5に基づいて第三者から賄賂の価額を追徴するにあたりその第三者に対して実質上弁解防禦の機会が与えられたものとされた事例。
      前項の場合において、右支部の代表者が、その支部を第三者とする刑法第197条の2の罪について、被告人として弁解、防禦の機会を与えられているときは、同法第197条の5によりその支部から賄賂の価額を追徴するにあたり、同支部に対しても、実質上弁解、防禦の機会が与えられていたものということができる。

前条:
刑法第197条
(収賄、受託収賄及び事前収賄)
刑法
第2編 罪
第25章 汚職の罪
次条:
刑法第197条の3
(加重収賄及び事後収賄)
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