刑法第197条の5

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条文[編集]

(没収及び追徴)

第197条の5
犯人又は情を知った第三者が収受した賄賂は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。

解説[編集]

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ウィキペディア賄賂罪の記事があります。


参照条文[編集]

判例[編集]

  • 最高裁判所第三小法廷昭和24年12月6日判決
    1. 贈賄の相手方を単に警察署長と判示するだけで、その職務権限の内容をさらに具体的に説示しなくとも、贈賄罪の判示として欠くる所はない。
    2. 供与の申込をした賄賂を没収するには、刑法第19条第1項第1号の規定に従うべきである。
  • 加重収賄(最高裁判決 昭和29年08月20日)
    いわゆる第三者収賄罪において第三者たる法人が賄賂を収受した場合の沒収、追徴の要件
    刑法第197条ノ2の罪において第三者たる法人の代表者が賄賂であることを知つて賄賂を法人のため受け取つたときは、その法人は同法第197条ノ4(現行:第197条の5)にいわゆる「情ヲ知リタル第三者」にあたり法人から右賄賂を沒収しまたはその価額を追徴することができる。
  • 収賄、受託収賄、第三者収賄、贈賄(最高裁判決 昭和40年04月28日)
    刑法第197条の2、第197条の5にいう第三者にあたるものとされた事例
    農業協同組合の支部が、独立の会計を有していることなどにより、独立の団体としての実質を具えているものと認められる場合には、その支部は、刑法第197条の2、第197条の5にいう第三者にあたるものと解される。
  • 収賄、加重収賄、有印虚偽公文書作成、同行使(最高裁判決 昭和43年09月25日)
    没収に代えて追徴すべき賄賂の価額の算定基準時
    授受された賄賂が没収不能となりその価額を追徴すべき場合には、授受後においてその物の価額の増減があつたとしても、その物の授受当時の価額を追徴額とすべきである。
  • 収賄(最高裁決定 昭和55年12月22日)
    ゴルフクラブ入会保証金預託証書がいわゆるゴルフクラブ会員権を表章する有価証券とはいえないとされた事例
    証書上からはいわゆるゴルフクラブ会員権の内容が明らかでないうえ、指図文句の記載もなく、会員権の譲渡にゴルフクラブの承認が必要とされている等の本件ゴルフクラブ入会保証金預託証書は、ゴルフクラブ会員権を表章する有価証券とはいえない。
    →従って、本件ゴルフクラブ入会保証金預託証書は追徴の対象物ではない。
    いわゆるゴルフクラブ会員権を賄賂として収受した場合における没収・追徴
    いわゆるゴルフクラブ会員権を賄賂として収受した場合には、会員権それ自体は没収の対象となるものではなく、これを収受した時点におけるその価額を追徴すべきである。
  • 収賄被告事件(最高裁決定 平成16年11月08日)
    収賄の共同正犯者が共同して収受した賄賂についての追徴の方法
    収賄の共同正犯者が共同して収受した賄賂については,刑法(平成7年法律第91号による改正前のもの)197条ノ5の規定により,共犯者各自に対し,公務員の身分の有無にかかわらず,それぞれその価額全部の追徴を命じることができるし,また,収賄犯人等に不正な利益の保有を許さないという要請が満たされる限りにおいて,相当と認められる場合には,裁量により,各自にそれぞれ一部の額の追徴を命じ,あるいは一部の者にのみ追徴を科することも許される。
    収賄の共同正犯者が共同して収受した賄賂についてその総額を均分した金額を各自から追徴することができるとされた事例
    収賄の共同正犯者2名が共同して収受した賄賂について,両名が共同被告人となり,両名の間におけるその分配,保有及び費消の状況が不明であるなど判示の事実関係の下においては,賄賂の総額を均分した金額を各被告人から追徴することができる。

前条:
刑法第197条の4
(あっせん収賄)
刑法
第2編 罪
第25章 汚職の罪
次条:
刑法第198条
(贈賄)


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