労働安全衛生規則第4条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

労働安全衛生規則)(

条文[編集]

(安全管理者の選任)

第4条
  1. 法第11条第1項の規定による安全管理者の選任は、次に定めるところにより行わなければならない。
    1. 安全管理者を選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任すること。
    2. その事業場に専属の者を選任すること。ただし、2人以上の安全管理者を選任する場合において、当該安全管理者の中に次条第2号に掲げる者がいるときは、当該者のうち一人については、この限りでない。
    3. 化学設備(労働安全衛生法施行令(以下「令」という。)第9条の3第1号に掲げる化学設備をいう。以下同じ。)のうち、発熱反応が行われる反応器等異常化学反応又はこれに類する異常な事態により爆発、火災等を生ずるおそれのあるもの(配管を除く。以下「特殊化学設備」という。)を設置する事業場であって、当該事業場の所在地を管轄する都道府県労働局長(以下「所轄都道府県労働局長」という。)が指定するもの(以下「指定事業場」という。)にあっては、当該都道府県労働局長が指定する生産施設の単位について、操業中、常時、法第10条第1項各号の業務のうち安全に係る技術的事項を管理するのに必要な数の安全管理者を選任すること。
    4. 次の表の中欄に掲げる業種に応じて、常時同表の下欄に掲げる数以上の労働者を使用する事業場にあっては、その事業場全体について法第10条第1項各号の業務のうち安全に係る技術的事項を管理する安全管理者のうち少なくとも1人を専任の安全管理者とすること。ただし、同表4の項の業種にあっては、過去3年間の労働災害による休業1日以上の死傷者数の合計が100人を超える事業場に限る。
1 建設業
有機化学工業製品製造業
石油製品製造業
300人
2 無機化学工業製品製造業
化学肥料製造業
道路貨物運送業
港湾運送業
500人
3 紙・パルプ製造業
鉄鋼業
造船業
1,000人
4 令第2条第1号及び第2号に掲げる業種(1の項から3の項までに掲げる業種を除く。) 2,000人
  1. 第2条第2項及び第3条の規定は、安全管理者について準用する。

解説[編集]

  1. 第1項第1号の「安全管理者を選任すべき事由が発生した日」とは、当該事業場の業種に応じて、その規模が政令で定める規模に達した日、安全管理者に欠員が生じた日等をさすものであること。
  2. 本条の表の業種の分類は、日本標準産業分類による分類をいうものであること。
    ただし、石油製品製造業は、同分類中の石油精製業および潤滑油・グリース製造業を、紙・パルプ製造業は、同分類中のパルプ製造業および紙製造業をいうものとし、造船業および建設業は、昭和47年9月18日付け発基第91号通達によるものであること。
  3. 第2項において準用する第2条第2項の「報告書」は、旧規則により選任されている者については、改めて提出の必要がないこと。


  1. 第3号の「これに類する異常な事態」とは、化学反応、蒸留等の化学的又は物理的処理が行われる化学設備内部の異常高圧、異常高温等をいうこと。
  2. 第3号の「特殊化学設備」とは、化学反応、蒸留等の化学的又は物理的処理が行われる化学設備であって、次の各号のいずれかに該当するものをいうこと。なお、ハに掲げるものについての該当の有無については、当分の間、本省にりん伺するものとすること。
    • イ  発熱反応が行われる反応器
    • ロ  蒸留器であって、蒸留される危険物の爆発範囲内で操作するもの又は加熱する熱媒等の温度が蒸留する危険物の分解温度若しくは発火点より高いもの
    • ハ  イ又はロに掲げる化学設備以外のもので、爆発生物質を生成するおそれがあるもの等爆発火災等の危険性が高いと考えられるもの
  3. 第3号の事業場の指定は、特殊化学設備を含む生産施設の設置場所及び爆発、火災等の危険性の程度、同種施設の災害発生状況、危険物の取扱い量、操業の方式等を勘案し、高度な安全管理を行うことが必要と認められる場合に、別紙様式第一号により行うものとすること。
  4. 第3号の「生産施設」とは、配合、反応、蒸留、精製等化学的又は物理的処理により物を製造するために必要な設備、配管及びこれらの附属設備であって、特殊化学設備を含むものをいうこと。
  5. 第3号の「生産施設の単位」としては、例えば、原料から製品となるまでの製造設備一式、同一場所で生産管理が行われ、かつ、同種反応等同種操作が行われる設備群等があること。
    なお、本号の指定は、生産施設の規模、生産管理方法の実情、同種施設の災害発生状況、安全委員会、労働組合等の意見等を勘案して行うものとすること。
  6. 第3号の「操業中」とは、指定された生産施設が本来の目的のために運転されている間をいうこと。
  7. 第3号の「常時」とは、夜間、休日をも含む趣旨であること。
  8. 第3号の「必要な数」とは、指定された単位ごとに、各直について、常時、配置することのできる数をいうこと。

参照条文[編集]

外部リンク[編集]