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建物の区分所有等に関する法律第58条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

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条文

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(使用禁止の請求)

第58条  
  1. 前条第1項に規定する場合において、第6条第1項に規定する行為による区分所有者の共同生活上の障害が著しく、前条第1項に規定する請求によつてはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもつて、相当の期間の当該行為に係る区分所有者による専有部分の使用の禁止を請求することができる。
  2. 前項の決議は、集会において、区分所有者(議決権を有しないものを除く。以下この項において同じ。)の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)の者であつて議決権の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)を有するものが出席し、出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上の多数でする。
  3. 第1項の決議をするには、あらかじめ、当該区分所有者に対し、弁明する機会を与えなければならない。
  4. 前条第3項の規定は、第1項の訴えの提起に準用する。

改正経緯

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2025年マンション関係法改正により、第2項を以下の条文から改正。

前項の決議は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数でする。

解説

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第6条により、区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならず、本条は、区分所有者にこの義務を果たさない者がいる場合に、相当の期間の当該行為に係る区分所有者による専有部分の使用の禁止を請求することができるものである。

使用禁止の請求は、集会の決議に基づき、訴えをもって行わなければならない。この決議は、議決権を有する区分所有者及び議決権の過半数(管理規約で加重はできても軽減することはできない)で構成される集会の各4分の3以上の多数で行う(第2項)。また、決議に当たって、当該区分所有者に弁明の機会を与えなければならない(第3項)。

対象は、当該区分所有者による使用であり、使用の禁止が認められても、第三者に貸し付けることはできる。

  • 前条(共同の利益に反する行為の停止等の請求)
  • 第6条(区分所有者の権利義務等)

参照条文

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判例

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  1. 建物の区分所有等に関する法律第60条に基づく建物賃貸借契約解除・専有部分引渡(最高裁判決昭和62年07月17日)建物の区分所有等に関する法律第60条
    建物の区分所有等に関する法律60条1項の集会の決議と当該専有部分の区分所有者に対する弁明の機会付与の要否
    建物の区分所有等に関する法律60条1項に基づき、占有者が占有する専有部分の使用又は収益を目的とする契約の解除及びその専有部分の引渡しを請求する訴えを提起する前提として、集会の決議をするには、あらかじめ当該占有者に対して弁明の機会を与えれば足り、当該専有部分の区分所有者に対して弁明の機会を与えることを要しない。
  2. ビル使用禁止,管理費等請求控訴(大阪高等裁判所判決平成14年5月16日)
    第58条による専有部分の使用禁止請求について管理費等の滞納の場合に適用があるか。
    管理費等の滞納と専有部分の使用禁止とは関連性がないことは明らかであって,管理費等を滞納する区分所有者に対し専有部分の使用禁止を認めることはできない。
    • 同条の規定は,共同の利益に反する行為をする区分所有者に対し,相当の期間,専有部分の使用を禁止するというものであるが,専有部分の使用を禁止することにより,当該区分所有者が滞納管理費等を支払うようになるという関係にあるわけではなく,他方,その区分所有者は管理費等の滞納という形で共同の利益に反する行為をしているにすぎないのであるから,専有部分の使用を禁止しても,他の区分所有者に何らかの利益がもたらされるというわけでもない。

前条:
第57条
(共同の利益に反する行為の停止等の請求)
区分所有法
第1章 建物の区分所有
第9節 義務違反者に対する措置
次条:
第59条
(区分所有権の競売の請求)
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