民法第1016条

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法学民事法コンメンタール民法第5編 相続 (コンメンタール民法)

条文[編集]

遺言執行者の復任権)

第1016条
  1. 遺言執行者は、自己の責任で第三者にその任務を行わせることができる。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。
  2. 前項本文の場合において、第三者に任務を行わせることについてやむを得ない事由があるときは、遺言執行者は、相続人に対してその選任及び監督についての責任のみを負う。

改正経緯[編集]

2018年改正[編集]

改正前条項は以下のとおり。

遺言執行者は、やむを得ない事由がなければ、第三者にその任務を行わせることができない。ただし、遺言者がその遺言に反対の意思を表示したときは、この限りでない。

2017年改正[編集]

改正前条項は以下のとおり。2017年改正により、旧・第105条(復代理人を選任した代理人の責任)が削除されたことに伴い、第2項が削除された。

  1. 遺言執行者は、やむを得ない事由がなければ、第三者にその任務を行わせることができない。ただし、遺言者がその遺言に反対の意思を表示したときは、この限りでない。
  2. 遺言執行者が前項ただし書の規定により第三者にその任務を行わせる場合には、相続人に対して、第105条に規定する責任を負う。
(参考)明治民法第1118条
  1. 遺言執行者ハ已ムコトヲ得サル事由アルニ非サレハ第三者ヲシテ其任務ヲ行ハシムルコトヲ得ス但遺言者カ其遺言ニ反対ノ意思ヲ表示シタルトキハ此限ニ在ラス
  2. 遺言執行者カ前項但書ノ規定ニ依リ第三者ヲシテ其任務ヲ行ハシムル場合ニ於テハ相続人ニ対シ第百五条ニ定メタル責任ヲ負フ

解説[編集]

遺言執行者の復任については、かつては、委任主体である遺言者はすでに亡くなっており、その意思にそぐわない結果を生ずる恐れがある、

参照条文[編集]

参考[編集]

明治民法において、本条には遺言による担保責任の定めに関する以下の規定があった。民法第914条に継承。

  1. 前三条ノ規定ハ被相続人カ遺言ヲ以テ別段ノ意思ヲ表示シタルトキハ之ヲ適用セス

前条:
民法第1015条
(遺言執行者の行為の効果)
民法
第5編 相続

第7章 遺言

第4節 遺言の執行
次条:
民法第1017条
(遺言執行者が数人ある場合の任務の執行)


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