民法第44条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法コンメンタール民法第1編 総則 (コンメンタール民法)民法第44条

条文[編集]

法人不法行為能力等)

第44条
  1. 法人は、理事その他の代理人がその職務を行うについて他人に加えた損害を賠償する責任を負う。
  2. 法人の目的の範囲を超える行為によって他人に損害を加えたときは、その行為に係る事項の決議に賛成した社員及び理事並びにその決議を履行した理事その他の代理人は、連帯してその損害を賠償する責任を負う。

解説[編集]

削除(平成18法50)
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第78条に継承。

参照条文[編集]

判例[編集]

  1. 慰籍料並に名誉回復請求(最高裁判決 昭和31年7月20日)民法第715条
    法人に対する民法第44条に基く請求と同法第715条に基く請求との訴訟物の異同
    法人に対する民法第44条に基く損害賠償の請求と同法第715条に基く損害賠償の請求とは、訴訟物を異にする。
  2. 損害賠償請求(昭和50年07月14日)(最高裁判決 昭和50年07月14日)
    1. 地方公共団体の長のした職務権限外の行為についての相手方の悪意・重過失と民法44条1項
      地方公共団体の長のした職務権限外の行為が外形からみてその職務行為に属するものと認められる場合であつても、相手方がその職務行為に属さないことを知り、又はこれを知らないことに重大な過失のあるときは、当該地方公共団体は相手方に対し民法44条1項による損害賠償責任を負わない。
    2. 町長のした職務権限外の行為につき相手方がその職務行為に属さないことを知らなかつたことに重大な過失があるとされた事例
      町長が代表取締役をしている会社の代表者として振り出し、みずから公印を不正に使用し町長名義で裏書をした約束手形の第二裏書人からその割引を依頼された相手方が、右手形の振出人及び第一裏書人の各代表者が同一人であることに疑念をいだき、その原因関係につき第二裏書人に説明を求め、同人から、右手形は、振出人が町有地の払下代金として同時に差し入れ、自己が施行した河舞工事代金として同町から裏書を受けたものである旨を告げられたが、なおその説明に疑念をもちながら、電話で町長本人に右手形の原因関係を問い合わせ、町長作成名義の確認書を入手したほかは、なんらの調査方法を講ずることなくその割引依頼に応じたなど判示の事実関係のもとにおいては、相手方は、町長のした右手形の裏書がその職務行為に属さないことを知らなかつたことに重大な過失があるというべきである。

前条:
民法第43条
(民法38条から第84条まで削除されています)
第4章 物
民法第37条
(外国法人の登記)
民法
第1編 総則
第3章 法人
次条:
民法第45条
(民法38条から第84条まで削除されています)
第4章 物
民法第85条
(定義)