労働基準法第4条
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条文
[編集](男女同一賃金の原則)
- 第4条
- 使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。
解説
[編集]- 賃金について、女性であることのみを理由として、同一の労働条件で仕事をする男性と比べて不利に取り扱うことだけではなく、有利に取り扱うことも禁止している。
- この場合の「賃金」とは、賃金額のみならず、賃金体系や賃金形態等を含んでいる。
- したがって、「男性は月給、女性は時間給」、「男性のみ交通費支給」などの労働条件は本条違反となる。
- 逆に、職務や作業能率、年齢や勤続年数の違いなどによって賃金に差をつけることまでは、ここでは禁止されていない。
- なお、この条文で禁止されているのは賃金についてのみであるため、他の労働条件についての差別は男女雇用機会均等法では禁止されているが、本条違反とはならない。
参照条文
[編集]- 法第119条 罰則 - 6箇月以下の拘禁刑(旧・懲役)又は30万円以下の罰金
判例
[編集]- 秋田相互銀行女子賃金差別(秋田地方裁判所判決 昭和50年04月10日)日本国憲法第14条,民法第90条
- 労働契約において、使用者が、労働者が女子であることを理由として、賃金について、男子と差別的取扱いをした場合には、労働契約の右の部分は、労働基準法4条に違反して無効であるから、女子は男子に支払われた金額との差額を請求することができるものと解するのを相当とする。
- 労働基準法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とされ、この無効となつた部分は、労働基準法で定める基準による旨の労働基準法13条の趣旨は、同法4条違反のような重大な違反がある契約については、より一層この無効となつた空白の部分を補充するためのものとして援用することができる
- 労働契約において、使用者が、労働者が女子であることを理由として、賃金について、男子と差別的取扱いをした場合には、労働契約の右の部分は、労働基準法4条に違反して無効であるから、女子は男子に支払われた金額との差額を請求することができるものと解するのを相当とする。
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