日本国憲法第44条
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条文
[編集]【議員及び選挙人の資格】
- 第44条
- 両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。但し、人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によつて差別してはならない。
解説
[編集]参照条文
[編集]判例
[編集]- 公職選挙法違反(最高裁判決昭和30年2月9日)日本国憲法第15条, 公職選挙法第252条, 日本国憲法第14条
- 公職選挙法第252条の合憲性
- 公職選挙法第252条(選挙犯罪による処刑者に対する選挙権及び被選挙権の停止)は憲法第14条、第44条に違反せず、かつ国民の参政権を不当に奪うものではない。
- 国民主権を宣言する憲法の下において、公職の選挙権が国民の最も重要な基本的権利の一であることは所論のとおりであるが、それだけに選挙の公正はあくまでも厳粛に保持されなければならないのであつて、一旦この公正を阻害し、選挙に関与せしめることが不適当とみとめられるものは、しばらく、被選挙権、選挙権の行使から遠ざけて選挙の公正を確保すると共に、本人の反省を促すことは相当であるからこれを以て不当に国民の参政権を奪うものというべきではない。
- 選挙無効請求(最高裁判決 昭和51年04月14日)日本国憲法第14条、日本国憲法第15条、公職選挙法第13条、行政事件訴訟法第31条
- 憲法14条1項、15条1、3項、44条但し書と国会両議院議員の選挙における選挙人の投票価値の平等
- 憲法14条1項、15条1、3項、44条但し書は、国会両議院の議員の選挙における選挙権の内容、すなわち各選挙人の投票の価値が平等であることを要求するものであり、右各選挙につき国会が定めた具体的な選挙制度において、国会が正当に考慮することができる重要な政策的目的ないし理由に基づく結果として合理的に是認することができない投票価値の不平等が存するときは、憲法の右規定の違反となる。
- 公職選挙法13条、同法(昭和50年法律第63号による改正前のもの)別表第1及び附則7項ないし9項による選挙区及び議員定数の定めの合憲性
- 公職選挙法13条、同法(昭和50年法律第63号による改正前のもの)別表第1及び附則7項ないし9項による選挙区及び議員定数の定めは、昭和47年12月10日の衆議院議員選挙当時、全体として憲法14条1項、15条1、3項、44条但し書に違反していたものである。
- 衆議院議員選挙が憲法に違反する公職選挙法の選挙区及び議員定数の定めに基づいて行われたことにより違法な場合において行政事件訴訟法31条1項の基礎に含まれている一般的な法の基本原則に従い選挙を無効とする旨の判決を求める請求を棄却するとともに当該選挙が違法である旨を主文で宣言すべきものとした事例
- 衆議院議員選挙が憲法に違反する公職選挙法の選挙区及び議員定数の定めに基づいて行われたことにより違法な場合であつても、それを理由として選挙を無効とする判決をすることによつて直ちに違憲状態が是正されるわけではなく、かえつて憲法の所期するところに必ずしも適合しない結果を生ずる判示のような事情などがあるときは、行政事件訴訟法31条1項の基礎に含まれている一般的な法の基本原則に従い、選挙を無効とする旨の判決を求める請求を棄却するとともに当該選挙が違法である旨を主文で宣言すべきである。
- 憲法14条1項、15条1、3項、44条但し書と国会両議院議員の選挙における選挙人の投票価値の平等
- 選挙無効(最高裁判決昭和58年4月27日)憲法第14条第1項、憲法第15条第1項〜第3項、憲法第43条第1項、公職選挙法第14条(昭和57年法律第81号による改正前のもの)
- 公職選挙法14条、同法別表第2による選挙区及び議員定数の定めの合憲性
- 公職選挙法14条、同法別表第2による選挙区及び議員定数の定めは、昭和52年7月10日の参議院議員選挙当時、憲法14条1項、15条1ないし3項、43条1項、44条但し書に違反するに至つていたものとはいえない。
- 公職選挙法が採用した参議院地方選出議員についての選挙の仕組みが国会に委ねられた裁量権の合理的行使として是認しうるものである以上、その結果として、各選挙区に配分された議員定数とそれぞれの選挙区の選挙人数又は人口との比率に較差が生じ、そのために選挙区間における選挙人の投票の価値の平等がそれだけ損なわれることとなつたとしても、【参議院の地域代表の要素を反映した定数配分という観点が憲法の観点からも合理的であることから、】 これをもつて直ちに右の議員定数の配分の定めが憲法14条1項等の規定に違反して選挙権の平等を侵害したものとすることはできない。
- 選挙無効請求(最高裁判決 昭和60年7月17日)公職選挙法第13条
- 公職選挙法13条1項、同法別表第1、同法附則7項ないし9項の衆議院議員の議員定数配分規定の合憲性
- 公職選挙法13条1項、同法別表第1、同法附則7項ないし9項の衆議院議員の議員定数配分規定は、昭和58年12月18日施行の衆議院議員選挙当時、全体として憲法14条1項に違反していたものである。
- 衆議院議員選挙が違憲の議員定数配分規定に基づいて行われた場合において選挙無効の請求を棄却するとともに主文において当該選挙が違法である旨を宣言すべきものとされた事例
- 衆議院議員選挙か憲法14条1項に違反する議員定数配分規定に基づいて行われたことにより違法な場合であつても、選挙を無効とする結果余儀なくされる不都合を回避することを相当とする判示のような事情があるときは、いわゆる事情判決の制度の基礎に存するものと解すべき一般的な法の基本原則に従い、選挙無効の請求を棄却するとともに主文において当該選挙が違法である旨を宣言すべきである。
- 公職選挙法13条1項、同法別表第1、同法附則7項ないし9項の衆議院議員の議員定数配分規定の合憲性
- 選挙無効(最高裁判決平成5年1月20日)公職選挙法第13条(平成3年法律第97号による改正前のもの)
- 公職選挙法13条1項、別表第1、附則7ないし10項の衆議院議員の議員定数配分規定の合憲性
- 公職選挙法13条1項、別表第1、附則7ないし10項の衆議院議員の議員定数配分規定は、平成2年2月18日施行の衆議院議員選挙当時、憲法14条1項に違反していたものと断定することはできない。
- 人口の異動は絶えず生ずるものである上、人口の異動の結果、右較差が拡大する場合も縮小する場合もあり得るのに対し、国会が議員定数配分規定を頻繁に改正することは、政治における安定の要請から考えて、実際的でも相当でもないことを考慮する必要があり、また、本件選挙当時の選挙区間における議員一人当たりの選挙人数の較差の最大値が昭和61年選挙当時の較差の最大値と比べて著しく掛け離れたものでないことなどを総合して考察すると、本件において、選挙区間における議員一人当たりの選挙人数の較差が憲法の選挙権の平等の要求に反する程度に達した時から本件選挙までの間にその是正のための改正がされなかったことにより、憲法上要求される合理的期間内における是正がされなかったものと断定することは困難であるといわざるを得ない。
- 選挙無効(最高裁判決平成8年9月11日)公職選挙法第14条(平成6年法律第2号による改正前のもの)
- 公職選挙法14条、別表第2の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定の合憲性
- 公職選挙法14条、別表第2の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定の下で、平成4年7月26日の参議院議員選挙当時、選挙区間における議員一人当たりの選挙人数の較差は最大1対6.59に達しており、違憲の問題が生ずる程度の投票価値の著しい不平等状態が生じていたものといわざるを得ないが、右較差が右の程度に達した時から右選挙までの間に国会が右議員定数配分規定を是正する措置を講じなかったことをもってその立法裁量権の限界を超えるものと断定することはできず、右議員定数配分規定は、右選挙当時、憲法14条1項に違反するに至っていたものと断ずることはできない。
- 選挙無効(最高裁判決平成10年9月2日)公職選挙法第14条
- 公職選挙法14条、別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定の合憲性
- 平成6年法律第47号による参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定の改正の結果、選挙区間において、平成2年の国勢調査による人口に基づく議員一人当たりの人口及び右改正当時における議員一人当たりの選挙人数にそれぞれ最大1対4.81及び最大1対4.99の較差が残ることとなったとしても、右改正をもって国会の立法裁量権の限界を超えるものとはいえず、平成7年7月23日施行の参議院議員選挙当時右の較差は更に縮小しているから、公職選挙法14条、別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定は、右選挙当時、憲法14条1項に違反していたものということはできない。
- 在外日本人選挙権剥奪違法確認等請求事件(最高裁判決平成17年9月14日)憲法第15条,憲法第41条,憲法第43条1項,公職選挙法第4章の2 在外選挙人名簿,公職選挙法第42条,公職選挙法第49条の2,公職選挙法附則8項,公職選挙法(平成12年法律第62号による改正前のもの)21条1項,公職選挙法(平成10年法律第47号による改正前のもの)42条,住民基本台帳法15条1項,行政事件訴訟法4条,国家賠償法1条1項
- 公職選挙法(平成10年法律第47号による改正前のもの)が在外国民の国政選挙における投票を平成8年10月20日に施行された衆議院議員の総選挙当時全く認めていなかったことと憲法15条1項,3項,43条1項,44条ただし書
- 平成8年10月20日に施行された衆議院議員の総選挙当時,公職選挙法が,国外に居住していて国内の市町村の区域内に住所を有していない日本国民が国政選挙において投票をするのを全く認めていなかったことは,憲法15条1項,3項,43条1項,44条ただし書に違反する。
- 公職選挙法附則8項の規定のうち在外国民に国政選挙における選挙権の行使を認める制度の対象となる選挙を当分の間両議院の比例代表選出議員の選挙に限定する部分と憲法15条1項,3項,43条1項,44条ただし書
- 公職選挙法附則8項の規定のうち,国外に居住していて国内の市町村の区域内に住所を有していない日本国民に国政選挙における選挙権の行使を認める制度の対象となる選挙を当分の間両議院の比例代表選出議員の選挙に限定する部分は,遅くとも,本判決言渡し後に初めて行われる衆議院議員の総選挙又は参議院議員の通常選挙の時点においては,憲法15条1項,3項,43条1項,44条ただし書に違反する。
- 公職選挙法(平成10年法律第47号による改正前のもの)が在外国民の国政選挙における投票を平成8年10月20日に施行された衆議院議員の総選挙当時全く認めていなかったことと憲法15条1項,3項,43条1項,44条ただし書
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