民事訴訟法第338条
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条文
[編集](再審の事由)
- 第338条
- 次に掲げる事由がある場合には、確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。ただし、当事者が控訴若しくは上告によりその事由を主張したとき、又はこれを知りながら主張しなかったときは、この限りでない。
- 法律に従って判決裁判所を構成しなかったこと。
- 法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。
- 法定代理権、訴訟代理権又は代理人が訴訟行為をするのに必要な授権を欠いたこと。
- 判決に関与した裁判官が事件について職務に関する罪を犯したこと。
- 刑事上罰すべき他人の行為により、自白をするに至ったこと又は判決に影響を及ぼすべき攻撃若しくは防御の方法を提出することを妨げられたこと。
- 判決の証拠となった文書その他の物件が偽造され若しくは変造されたものであったこと又は判決の証拠となった電磁的記録が不正に作られたものであったこと。
- 証人、鑑定人、通訳人又は宣誓した当事者若しくは法定代理人の虚偽の陳述が判決の証拠となったこと。
- 判決の基礎となった民事若しくは刑事の判決その他の裁判又は行政処分が後の裁判又は行政処分により変更されたこと。
- 判決に影響を及ぼすべき重要な事項について判断の遺脱があったこと。
- 不服の申立てに係る判決が前に確定した判決と抵触すること。
- 前項第4号から第7号までに掲げる事由がある場合においては、罰すべき行為について、有罪の判決若しくは過料の裁判が確定したとき、又は証拠がないという理由以外の理由により有罪の確定判決若しくは過料の確定裁判を得ることができないときに限り、再審の訴えを提起することができる。
- 控訴審において事件につき本案判決をしたときは、第一審の判決に対し再審の訴えを提起することができない。
改正経緯
[編集]2022年改正
[編集]第1項第6号を以下のとおり改正。
- (改正前)判決の証拠となった文書その他の物件が偽造又は変造されたものであったこと。
- (改正後)判決の証拠となった文書その他の物件が偽造され若しくは変造されたものであったこと又は判決の証拠となった電磁的記録が不正に作られたものであったこと。
旧法
[編集]1996年(平成8年)改正前
- 第420条
〔再審事由〕
- 左ノ場合ニ於テハ確定ノ終局判決ニ対シ再審ノ訴ヲ以テ不服ヲ申立ツルコトヲ得但シ当事者カ上訴ニ依リ其ノ事由ヲ主張シタルトキ又ハ之ヲ知リテ主張セサリシトキハ此ノ限ニ在ラス
- 法律ニ従ヒテ判決裁判所ヲ構成セサリシトキ
- 法律ニ依リ裁判ニ関与スルコトヲ得サル裁判官カ裁判ニ関与シタルトキ
- 法定代理権、訴訟代理権又ハ代理人カ訴訟行為ヲ為スニ必要ナル授権ノ欠缺アリタルトキ
- 裁判ニ関与シタル裁判官カ事件ニ付職務ニ関スル罪ヲ犯シタルトキ
- 刑事上罰スヘキ他人ノ行為ニ因リ自白ヲ為スニ至リタルトキ又ハ判決ニ影響ヲ及ホスヘキ攻撃若ハ防禦ノ方法ヲ提出スルコトヲ妨ケラレタルトキ
- 判決ノ証拠ト為リタル文書其ノ他ノ物件カ偽造又ハ変造セラレタルモノナリシトキ
- 証人、鑑定人、通事又ハ宣誓シタル当事者若ハ法定代理人ノ虚偽ノ陳述カ判決ノ証拠ト為リタルトキ
- 判決ノ基礎ト為リタル民事若ハ刑事ノ判決其ノ他ノ裁判又ハ行政処分カ後ノ裁判又ハ行政処分ニ依リテ変更セラレタルトキ
- 判決ニ影響ヲ及ホスヘキ重要ナル事項ニ付判断ヲ遺脱シタルトキ
- 不服ノ申立アル判決カ前ニ言渡サレタル確定判決ト牴触スルトキ
- 前項第四号乃至第七号ノ場合ニ於テハ罰スヘキ行為ニ付有罪ノ判決若ハ過料ノ裁判確定シタルトキ又ハ証拠欠缺外ノ理由ニ因リ有罪ノ確定判決若ハ過料ノ確定裁判ヲ得ルコト能ハサルトキニ限リ再審ノ訴ヲ提起スルコトヲ得
- 控訴審ニ於テ事件ニ付本案判決ヲ為シタルトキハ第一審ノ判決ニ対シ再審ノ訴ヲ提起スルコトヲ得ス
解説
[編集]参照条文
[編集]- 特許法第171条(再審の請求)
判例
[編集]- 再審請求棄却決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件(最高裁決定 平成19年03月20日)民訴法第106条1項
- 受送達者あての訴訟関係書類の交付を受けた同居者等がその訴訟に関して事実上の利害関係の対立がある受送達者に対して上記書類を交付しなかったため受送達者が訴訟が提起されていることを知らないまま判決がされた場合と民訴法338条1項3号の再審事由
- 受送達者あての訴訟関係書類の交付を受けた民事訴訟法第106条1項所定の同居者等と受送達者との間に,その訴訟に関して事実上の利害関係の対立があるため,同居者等から受送達者に対して上記書類が速やかに交付されることを期待することができない場合において,当該同居者等から受送達者に対して上記書類が実際に交付されず,そのため,受送達者が訴訟が提起されていることを知らないまま判決がされたときには,民訴法338条1項3号の再審事由がある。
参考
[編集]1996年(平成8年)改正前は、現行第208条(不出頭等の効果)に相当する「出頭・宣誓・陳述義務」に関する定めが置かれた。
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