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民法第487条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法コンメンタール民法第3編 債権 (コンメンタール民法)

条文

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債権証書の返還請求)

第487条
債権に関する証書がある場合において、弁済をした者が全部の弁済をしたときは、その証書の返還を請求することができる。

解説

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弁済がなされると債権は消滅する。この際、弁済者は、二重払いの危険を避け、または第三者弁済の場合の求償権や代位の行使を円滑にするため、弁済をしたことの証拠が必要となる。そこで、弁済がなされた場合に、弁済者は受領者に対して債権証書の返還を請求できることとしている。

債権証書とは、債権の成立を証明する書面であり、債務者が作成して債権者が所持しているものである。たとえば金銭消費貸借契約なら借用証書がこれに該当する。

前条(受取証書)とは異なり、全部の弁済があった後でなければ債権証書の返還を請求することはできない。よって、一部弁済の場合には返還請求はできず、また弁済の提供と債権証書の返還は同時履行の関係に立たない。

参照条文

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前条:
民法第486条
(受取証書の交付請求)
民法
第3編 債権

第1章 総則
第6節 債権の消滅

第1款 弁済
次条:
民法第488条
(同種の給付を目的とする数個の債務がある場合の充当)
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