民法第754条
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条文
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改正経緯
[編集]2024年改正(2024年(令和6年)5月21日公布、施行日未定、公布より2年以内に施行する)により削除。
- 第754条
- 夫婦間でした契約は、婚姻中、いつでも、夫婦の一方からこれを取り消すことができる。ただし、第三者の権利を害することはできない。
解説
[編集]夫婦生活の自主性を尊重し、国家からの干渉を最小限度にとどめることを宣言した規定と理解されている。
フランス民法の1096条1項が母法であると目されており、明治民法第792条に継承されたものであるが、母法においては贈与契約の自由な撤回を規定するにとどまるに対し、日本民法においては夫婦間の契約一般にその範囲が拡張されているのが特徴である。戦後の民法改正においても、明治民法の規定がそのまま受け継がれている。
夫婦間での取消権の濫用に対処するため、婚姻関係が実質的に破綻している場合など、一定の事由が存在する場合は、取消し権の行使が制約されるとするのが判例である。弊害が大きいため、立法論としても、削除論が優勢である。
- ⇨この議論を踏まえ、2024年改正にて削除。
参照条文
[編集]判例
[編集]- 山林所有権移転登記手続履行請求(最高裁判決 昭和42年02月02日)
- 「婚姻中」とは、単に形式的に婚姻が継続しているだけではなく、実質的にもそれが継続していることをいうものと解し、本条の適用を否定したもの。
参考文献
[編集]- 『民法(5)親族・相続(第3版)』有斐閣新書(1989年、有斐閣)45頁-66頁(山脇貞司執筆部分)
- 泉久雄『親族法』89-100頁(1997年、有斐閣)
参考
[編集]明治民法において、本条には以下の規定があった。
- 戸主カ婚姻ニ因リテ他家ニ入ラント欲スルトキハ前条ノ規定ニ従ヒ隠居ヲ為スコトヲ得
- 戸主カ隠居ヲ為サスシテ婚姻ニ因リ他家ニ入ラント欲スル場合ニ於テ戸籍吏カ其届出ヲ受理シタルトキハ其戸主ハ婚姻ノ日ニ於テ隠居ヲ為シタルモノト看做ス
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