会社法第96条
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法学>民事法>商法>コンメンタール会社法>第2編第1章 設立 (コンメンタール会社法)>会社法第96条
条文[編集]
(創立総会における定款の変更)
- 第96条
- 第30条第2項の規定にかかわらず、創立総会においては、その決議によって、定款の変更をすることができる。
解説[編集]
- 公証人の認証を受けた定款について、株式会社の成立前であっても、創立総会の決議により変更できるとしたもの。全株主に意思表示の機会を与えた株主総会による意思決定に基づく当然の規定であり、少数株主の保護は、その他、株主総会にかかる一般規定によるものとなる。
なお、公証人の認証が必要ないとされたのは、定款変更の議事録があるから。
改正前商法185条1項は「創立総会ニ於テ第168条第1項ニ掲グル事項ヲ不当ト認メタルトキハ之ヲ変更スルコトヲ得」としていたのを、会社法96条は「創立総会においては、その決議によって、定款の変更をすることができる。」として「不当」の文言が消滅した。
創立総会の定款変更で変態設立事項を追加することができるかという論点がある。改正前商法の解釈について判例[1]は変態設立事項に関する「厳重な法の規制は、これらの事項が、発起人の濫用の対象となり、発起人その他の第三者の利益のために会社の財産的基礎が害される危険が多いため、会社資本の充実を期して会社債権者を保護し、併せて他の株主の利益が害されることを防止する目的に出たものであることは明らかである」として認めなかった。しかし会社法の立法者は、反対設立時株主に対する手当てとして自らの引き受けの取消しが認められている(会社法第97条)、そもそも追加の現物出資については検査役の調査が義務づけられていることから、不当と認めた場合以外の変更を合法化し、最高裁判例を否定した。
- ^ 最三判昭和41年12月23日
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