刑事訴訟法第60条
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法学>コンメンタール>コンメンタール刑事訴訟法=コンメンタール刑事訴訟法/改訂
条文
[編集](勾留)
- 第60条
- 裁判所は、被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で、左の各号の一にあたるときは、これを勾留することができる。
- 被告人が定まった住居を有しないとき。
- 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
- 被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
- 勾留の期間は、公訴の提起があった日から2箇月とする。特に継続の必要がある場合においては、具体的にその理由を附した決定で、1箇月ごとにこれを更新することができる。但し、第89条第1号、第3号、第4号又は第6号にあたる場合を除いては、更新は、1回に限るものとする。
- 30万円(刑法、暴力行為等処罰に関する法律(大正15年法律第60号)及び経済関係罰則の整備に関する法律(昭和19年法律第4号)の罪以外の罪については、当分の間、2万円)以下の罰金、拘留又は科料に当たる事件については、被告人が定まった住居を有しない場合に限り、第1項の規定を適用する。
解説
[編集]参照条文
[編集]判例
[編集]- 強盗強姦、強盗殺人、死体遺棄、恐喝未遂、窃盗、森林窃盗、傷害、暴行、横領害(狭山事件 最高裁判決昭和52年8月9日)憲法第33条,刑事訴訟法第198条1項/2項,刑事訴訟法第199条
- 甲事実について逮捕勾留中の被疑者を乙事実について取調べることが違法ではないとされた事例
- 甲事実について逮捕・勾留の理由と必要があり、甲事実と乙事実とが社会的事実として一連の密接な関連がある場合、甲事実について逮捕・勾留中の被疑者を、同事実について取調べるとともに、これに付随して乙事実について取調べても、違法とはいえない。
- 第一次逮捕・勾留は、その基礎となつた被疑事実について逮捕・勾留の理由と必要性があつたことは明らかである。そして、「別件」中の恐喝未遂と「本件」とは社会的事実として一連の密接な関連があり、「別件」の捜査として事件当時の被告人の行動状況について被告人を取調べることは、他面においては「本件」の捜査ともなるのであるから、第一次逮捕・勾留中に「別件」のみならず「本件」についても被告人を取調べているとしても、それは、専ら「本件」のためにする取調というべきではなく、「別件」について当然しなければならない取調をしたものにほかならない。それ故、第一次逮捕・勾留は、専ら、いまだ証拠の揃つていない「本件」について被告人を取調べる目的で、証拠の揃つている「別件」の逮捕・勾留に名を借り、その身柄の拘束を利用して、「本件」について逮捕・勾留して取調べるのと同様な効果を得ることをねらいとしたものである、とすることはできない。
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