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刑法第62条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

条文

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(ほう)助)

第62条
  1. 正犯を(ほう)助した者は、従犯とする。
  2. 従犯を教唆した者には、従犯の刑を科する。

解説

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  1. 1項は、共犯のうち、幇助犯について定めた規定である。幇助とは、正犯の実行を容易にする行為のことである。
  2. 2項は従犯(幇助犯)の教唆には従犯(幇助犯)としての刑を科するものと定めいる。いわゆる間接教唆の規定である。
  3. 教唆犯を幇助する間接教唆は2項により処罰されるが、幇助犯を幇助する間接幇助については規定がなく、処罰できないため問題となる。
    判例はCの犯行を幇助したBを更にAが幇助した(A→B(幇助犯)→C(正犯))事例につき、AがBを幇助したのか、AはCを幇助したのかが争われたが、AはCを間接的に幇助したとし、1項の成立を認めた。

判例

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  1. 大審院第一刑事部大正6年5月25日判決
    助言を以て他人の犯罪に加工したる場合に於て該助言か他人をして犯行の故意を決定せしめたりとせは教唆犯に問擬すへく単に他人の既発の犯意を強固ならしめたるに止まるものなるときは之を従犯に問擬すへきものとす
  2. 贈賄幇助、贈賄(最高裁判決 昭和24年12月06日)旧刑訴法248条,旧刑訴法360条1項,旧刑訴法410条19號,旧刑訴法291条1項,旧刑訴法410条18號,警察法49条,警察法附則19条,刑法198条刑法19条,刑法197条の4(現刑法197条の5),旧刑訴法360条1項
    贈賄の現金を没収するに当り刑法第19条を適用すべきところ同第197条の4(現第197条の5)を適用した擬律錯誤の違法
    原審が刑法第197条の4(現本条)を適用して「押収の現金二万円を没収する」と判決したのは違法であつて論旨は理由があり、この点において原判決は破毀をがれない。しかし刑法第197条の4は同法第19条を排斥するものではなく、問題の現金二万円は贈賄の「犯罪行爲ヲ組成シタル物」として刑法第19条により没収せられ得べきものであるからその処置を執るのを適当と認める。
    • 原審において被告は、贈賄罪(刑法198条)の幇助の判決を受け、同時に、刑法197条の4(現刑法197条の5)が適用され没収が科されたが、刑法197条の4(現刑法197条の5)は、収賄罪に必要的に適用するものであっても贈賄罪への適用は違法である。しかしながら、贈賄罪の幇助という犯罪行為を組成したものとして、刑法第19条により裁判所が裁量として科しうる没収は適用できる。
  3. 猥せつ図画公然陳列幇助(最高裁判所第一小法廷決定昭和44年7月17日)
    正犯を間接に幇助したものとして従犯の成立が認められた事例
    被告人が、甲またはその得意先の者において不特定の多数人に観覧せしめるであろうことを知りながら、猥せつ映画フイルムを甲に貸与し、甲からその得意先である乙に右フイルムが貸与され、乙においてこれを映写し十数名の者に観覧させて公然陳列するに至つた場合、被告人の所為については、正犯たる乙の犯行を間接に幇助したものとして、従犯が成立する。
  4. 覚せい剤取締法第違反、同幇助、関税法第違反、同幇助(最高裁決定 平成6年12月9日)
    正犯の実行行為が日本国内で行われた場合における日本国外で幇助行為をした者と刑法第1条第1項
    日本国外で幇助行為をした者であっても、正犯が日本国内で実行行為をした場合には、刑法第1条第1項の「日本国内ニ於テ罪ヲ犯シタル者(現行:日本国内において罪を犯した者)」に当たる。

前条:
刑法第61条
(教唆)
刑法
第1編 総則
第11章 共犯
次条:
刑法第63条
(従犯減軽)
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