刑法第65条
表示
条文
[編集](身分犯の共犯)
- 第65条
- 犯人の身分によって構成すべき犯罪行為に加功したときは、身分のない者であっても、共犯とする。
- 身分によって特に刑の軽重があるときは、身分のない者には通常の刑を科する。
解説
[編集]- 身分犯の共犯について定める。以下のとおり、当該身分犯が、
- 第1項、真正身分犯については、身分の無い者についても共犯とする。
- 公務員でないものが主犯である公務員を教唆・幇助して主犯に賄賂を受け取らせた場合、収賄罪の教唆犯・幇助犯に問われる。
- 第2項、不真正身分犯については、身分の無い者には、身分ある者に適用される加重された刑ではなく、通常の刑が科される。
判例
[編集]- 横領(最高裁判決昭和31年6月5日)刑法第253条
- 業務上横領罪の共犯ではあるが身分なき被告人に対し刑法第253条を適用したる違法と判決への影響
- 業務上の占有者たる身分なき被告人が他人の業務上横領罪に共同正犯として加功した事実を認めながら刑法253条を適用処断したのは性質上判決に影響を及ぼすことの明らかな法律適用の誤りがあるものというべきこと論をまたない。
- 商法第違反被告事件(最高裁決定 平成20年05月19日)商法第(平成17年法第律第87号による改正前のもの)486条1項, 刑法第247条
- 銀行がした融資に係る頭取らの特別背任行為につき,当該融資の申込みをしたにとどまらず,その実現に積極的に加担した融資先会社の実質的経営者に,特別背任罪の共同正犯の成立が認められた事例
- 銀行がした融資に係る頭取らの特別背任行為につき,当該融資の申込みをしたにとどまらず,融資の前提となるスキームを頭取らに提案してこれに沿った行動を取り,同融資の担保となる物件の担保価値を大幅に水増しした不動産鑑定書を作らせるなどして,同融資の実現に積極的に加担した融資先会社の実質的経営者は,上記特別背任行為に共同加功をしたということができる。
- 「同融資の実現に積極的に加担した融資先会社の実質的経営者」 - 特別背任罪を構成する身分を有していない。
|
|