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民法第112条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法民法コンメンタール民法第1編 総則

条文[編集]

(代理権消滅後の表見代理

第112条
  1. 他人に代理権を与えた者は、代理権の消滅後にその代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、代理権の消滅の事実を知らなかった第三者に対してその責任を負う。ただし、第三者が過失によってその事実を知らなかったときは、この限りでない。
  2. 他人に代理権を与えた者は、代理権の消滅後に、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間で行為をしたとすれば前項の規定によりその責任を負うべき場合において、その他人が第三者との間でその代理権の範囲外の行為をしたときは、第三者がその行為についてその他人の代理権があると信ずべき正当な理由があるときに限り、その行為についての責任を負う。

改正経緯[編集]

2017年改正前により、第2項を追加。

  • 第2項においては、代理権消滅による表見代理が成立する際、権限踰越が生じた場合の取り扱いについて定めた。

解説[編集]

表見代理が成立しうる3類型のうち第3類型について定める。

  1. 代理権授与の表示(民法第109条
    本人が、行為者に、あたかも代理権があるかのような外観を作出した場合。
  2. 代理権踰越(民法第110条
    本人が、行為者に制限をつけて代理権を付与したが、その権限を超えて法律行為を行なった場合。
  3. 代理権消滅後の表見代理(本条)
    本人が、行為者に代理権を付与し、それが消滅した後、消滅した事実が外観では判別できず、その状態を放置した場合。

参照条文[編集]

判例[編集]

  1. 約束手形金請求(最高裁判決 昭和39年6月12日)
    民法第112条の表見代理の主張に対し商法第262条(現・本条)の表見代表取締役の規定を適用して判断することの可否。
    当事者が民法第112条の表見代理による約束手形金の支払請求を主張している場合であっても、商法第262条(現・本条)の要件事実が主張されている以上、同条の表見代表取締役の行為による会社に対する責任に基づいて、請求を認容することに違法はない。
  2. 貸金(最高裁判決 平成5年01月21日)民法第117条民法第896条民法第898条
    無権代理人が本人を共同相続した場合における無権代理行為の効力
    無権代理人が本人を共同相続した場合には、共同相続人全員が共同して無権代理行為を追認しない限り、無権代理人の相続分に相当する部分においても、無権代理行為が当然に有効となるものではない。

前条:
民法第111条
(代理権の消滅事由)
民法
第1編 総則

第5章 法律行為

第3節 代理
次条:
民法第113条
(無権代理)
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