コンテンツにスキップ

民法第126条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法民法コンメンタール民法第1編 総則 (コンメンタール民法)

条文

[編集]

取消権の期間の制限)

第126条
取消権は、追認をすることができる時から5年間行使しないときは、時効によって消滅する。行為の時から20年を経過したときも、同様とする。

解説

[編集]
取消権の不行使を原因とする消滅について規定する。
条文上の文言「時効によって消滅する」より、消滅時効とされるが、取消権は形成権であって、時効の更新等を認めるのは適当でないため除斥期間であると解されている。

(要件)

  1. 追認をすることができる時から5年間行使しないとき
    「追認をすることができる時」
    • 追認の要件(第124条
      1. 取消しの原因となっていた状況が消滅
        • 制限行為能力者:審判が取り消された時又は制限されていた行為の制限が取り消された時。
          • 代理人等については適用がない。
            →代理人等には個別に期間が進行する。
        • 瑕疵ある意思表示:瑕疵の原因が取り除かれた時(錯誤又は詐欺であることが明認された時、強迫の状態から脱した時)。
      2. 取消権を有することを認知する
        取消権を有するか否かを認知したか客観的に判断するのは困難。一般に取消権者により「取り消すことができる行為」自体が認知されたことによる。
        • 後見事務の開始時の財産の調査及び目録の作成(第853条)や相手方からの請求や追認の催告など
  2. 行為の時から20年間の経過
    取消権者の状態及び主観にかかわらず権利は消滅する。

参照条文

[編集]

判例

[編集]
  1. 土地所有権移転登記請求(最高裁判決昭和38年9月6日)
    「追認ヲ為スコトヲ得ル時」の意義。
    民法第126条にいう「追認ヲ為スコトヲ得ル時」とは、取消の原因たる情況の止んだ時、すなわち未成年者にあつてはこれが成年に達した時をいい、未成年者であつた者が自己の行為を了知したことは、取消権の消滅時効が進行を始めるについての要件ではない。

前条:
民法第125条
(法定追認)
民法
第1編 総則

第5章 法律行為

第4節 無効及び取消し
次条:
民法第127条
(条件が成就した場合の効果)
このページ「民法第126条」は、まだ書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にトークページへどうぞ。