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民法第866条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法コンメンタール民法第4編 親族 (コンメンタール民法)

条文

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(被後見人の財産等の譲受けの取消し)

第866条
  1. 後見人が被後見人の財産又は被後見人に対する第三者の権利を譲り受けたときは、被後見人は、これを取り消すことができる。この場合においては、第20条の規定を準用する。
  2. 前項の規定は、第121条から第126条までの規定の適用を妨げない。

解説

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後見人が被後見人の財産や債権を譲り受けたときの取り扱いについて定める。明治民法第930条を継承。
上記のときは、行為無能力者の行為の原則に立ち返ってこれを取消し得る。一方、譲り受けた後見人は、被後見人に対して追認の催告ができるが、有効な意思表示は期待できないため、他の後見人(複数の後見人がいる場合は)、または、後見監督人、いずれもいない場合は家庭裁判所が選任する特別代理人(第860条)のいずれかが催告の相手方となる。

参照条文

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  • 民法第20条(制限行為能力者の相手方の催告権)
  • 民法第121条(取消しの効果)
  • 民法第122条(取り消すことができる行為の追認)
  • 民法第123条(取消し及び追認の方法)
  • 民法第124条(追認の要件)
  • 民法第125条(法定追認)
  • 民法第126条(取消権の期間の制限)

判例

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参考

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明治民法において、本条には裁判上の離縁に関する以下の規定があった。趣旨は、民法第814条に継承された。

縁組ノ当事者ノ一方ハ左ノ場合ニ限リ離縁ノ訴ヲ提起スルコトヲ得
  1. 他ノ一方ヨリ虐待又ハ重大ナル侮辱ヲ受ケタルトキ
  2. 他ノ一方ヨリ悪意ヲ以テ遺棄セラレタルトキ
  3. 養親ノ直系尊属ヨリ虐待又ハ重大ナル侮辱ヲ受ケタルトキ
  4. 他ノ一方カ重禁錮一年以上ノ刑ニ処セラレタルトキ
  5. 養子ニ家名ヲ涜シ又ハ家産ヲ傾クヘキ重大ナル過失アリタルトキ
  6. 養子カ逃亡シテ三年以上復帰セサルトキ
  7. 養子ノ生死カ三年以上分明ナラサルトキ
  8. 他ノ一方カ自己ノ直系尊属ニ対シテ虐待ヲ為シ又ハ之ニ重大ナル侮辱ヲ加ヘタルトキ
  9. 婿養子縁組ノ場合ニ於テ離婚アリタルトキ又ハ養子カ家女ト婚姻ヲ為シタル場合ニ於テ離婚若クハ婚姻ノ取消アリタルトキ

前条:
民法第865条
(後見監督人の同意を要する行為)
民法
第4編 親族

第5章 後見

第3節 後見の事務
次条:
民法第867条
(未成年被後見人に代わる親権の行使)
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