コンテンツにスキップ

民法第120条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法民法コンメンタール民法第1編 総則

Wikibooks
Wikibooks
教科書記事無効と取消があります。

条文

[編集]

(取消権者)

第120条
  1. 行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者(他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為にあっては、当該他の制限行為能力者を含む。)又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。
  2. 錯誤詐欺又は強迫によって取り消すことができる行為は、瑕疵ある意思表示をした者又はその代理人若しくは承継人に限り、取り消すことができる。

改正経緯

[編集]
  • 2017年改正で以下の改正がなされた。
    1. 第1項「制限行為能力者」に括弧書きで、制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人として した行為について代理された者も取消権者となることが明文化された。
    2. 第95条改正に伴い、「錯誤」が取り消しうる行為となったことにより、取り消しうる行為に錯誤が追加された。

解説

[編集]
行為能力の制限、詐欺、強迫により発生した取消し権の行使者について規定している。
制限行為能力者自身が取り消す場合は、法定代理人の同意を必要としない。
従来、保佐人が取消権者に含まれるかどうか争いがあったが、1999年(平成11年)の民法改正で成年後見制度が整備された際に、「同意をすることができる者」が取消権者に加えられたため、この問題は立法的に解消された。補助人であっても同意権を付与されれば「同意をすることができる者」に該当することになる。
保証人は、承継人には含まれない。

関連条文

[編集]

判例

[編集]
  1. 大審院判決昭和20年5月21日民集24号9頁
    無能力者の債務を保証したものは承継人に当たらない。

参考文献

[編集]
  • 我妻栄『新訂民法総則(民法講義1)』(岩波書店、1965年)393頁
  • 四宮和夫『民法総則講義(第4版補正版)』(弘文堂、1996年)215頁
  • 加藤雅信『新民法体系』(有斐閣、2005年)87頁、349頁

前条:
民法第119条
(無効な行為の追認)
民法
第1編 総則

第5章 法律行為

第4節 無効及び取消し
次条:
民法第121条
(取消しの効果)
このページ「民法第120条」は、まだ書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にトークページへどうぞ。