コンテンツにスキップ

民法第149条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法民法コンメンタール民法第1編 総則 (コンメンタール民法)

条文[編集]

(仮差押え等による時効の完成猶予)

第149条
次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了した時から6箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない 。
  1. 仮差押え
  2. 仮処分

改正経緯[編集]

2017年改正により、旧第149条に定められていた「裁判上の請求」却下又は取り下げの時効への効果の趣旨は、第147条に吸収され、それに代え旧第154条に規定されていた仮差押え及び仮処分の効果について規定した。

(改正前条文)

(差押え、仮差押え及び仮処分)
第154条
差押え、仮差押え及び仮処分は、権利者の請求により又は法律の規定に従わないことにより取り消されたときは 、時効の中断の効力を生じない。
(裁判上の請求
第149条
裁判上の請求は、訴えの却下又は取下げの場合には、時効の中断の効力を生じない。

解説[編集]

参照条文[編集]

判例[編集]

  1. 請求異議(最高裁判決  昭和43年03月29日)民訴法第6編第2章第1節
    執行債務者の所在不明による執行不能と時効中断
    金銭債権の強制執行として執行吏に対し動産に対する強制執行を委任しても、執行債務者の所在不明のため執行不能に終つた場合には、右金銭債権につき時効中断の効力は生じない。
  2. 債務不存在確認、請求異議(最高裁判決 昭和59年03月09日)旧・民法第147条2号,民訴法(昭和54年法律第4号による改正前のもの)第700条1項2号(現在の民事執行法第82条に相当)
    仮差押登記が競落により抹消された場合と時効中断の効力
    不動産の仮差押による時効中断の効力は、第三者の申立による強制競売により右不動産が競落されて仮差押の登記が抹消されても失われず、右抹消の時まで中断事由が存続したものというべきである。
  3. 貸金(最高裁判決 平成6年06月21日)旧・民法第157条1項(中断後の時効の進行),民事保全法第51条
    仮差押解放金の供託による仮差押えの執行の取消しと時効中断の効力
    仮差押えによる時効中断の効力は、仮差押解放金の供託により仮差押えの執行が取り消された場合においても、なお継続する。
    • 民法157条1項は、中断の事由が終了したときは時効中断の効力が将来に向かって消滅する旨規定しているところ、仮差押解放金の供託による仮差押執行の取消しにおいては、供託された解放金が仮差押執行の目的物に代わるものとなり、債務者は、仮差押命令の取消しなどを得なければ供託金を取り戻すことができないばかりでなく、債権者は、本案訴訟で勝訴した場合は、債務者の供託金取戻請求権に対し強制執行をすることができるものであるから、仮差押えの執行保全の効力は右供託金取戻請求権の上に存続している。
  4. 債務不存在確認等(最高裁判決  平成10年11月24日)旧・民法第157条1項,民法第174条の2
    1. 仮差押えによる時効中断の効力の継続
      仮差押えによる時効中断の効力は、仮差押えの執行保全の効力が存続する間は継続する。
    2. 本案の勝訴判決の確定と仮差押えによる時効中断の効力
      仮差押えの被保全債権につき本案の勝訴判決が確定したとしても、仮差押えによる時効中断の効力が消滅するとはいえない。
  5. 求償金請求事件(最高裁判決  平成11年04月27日) 旧・民法第147条2号,民事執行法第14条民事執行法第51条1項
    1. 不動産競売手続において執行力のある債務名義の正本を有する債権者がする配当要求と時効の中断
      不動産競売手続において執行力のある債務名義の正本を有する債権者がする配当要求は、差押えに準ずるものとして、配当要求に係る債権につき時効中断の効力を生ずる。
    2. 執行力のある債務名義の正本を有する債権者が配当要求をした後に不動産競売の申立債権者が追加の手続費用を納付しなかったことを理由に競売手続が取り消された場合における右配当要求による時効中断の効力
      執行力のある債務名義の正本を有する債権者が配当要求をした後に、不動産競売の申立債権者が追加の手続費用を納付しなかったことを理由に競売手続が取り消された場合において、適法な配当要求が維持されていたときは、右の配当要求による時効中断の効力は、取消決定が確定する時まで継続する。
  6. 土地根抵当権設定登記抹消登記等請求事件(最高裁判決  平成11年09月09日 )旧・民法第147条2号,民法第398条の2第1項,民事執行規則第170条
    1. 極度額を超える金額の被担保債権を請求債権とする根抵当権の実行がされた場合に被担保債権について消滅時効中断の効力が生じる範囲
      債権者が、根抵当権の極度額を超える金額の被担保債権を請求債権として当該根抵当権の実行としての不動産競売の申立てをし、競売開始決定がされて同決定正本が債務者に送達された場合、被担保債権の消滅時効中断の効力は、当該極度額の範囲にとどまらず、請求債権として表示された当該被担保債権の全部について生じる
    2. 不動産競売の申立ての取下げがされた場合における被担保債権の消滅時効中断の効力の帰すう
      物上保証人に対する不動産競売において、債務者に対する被担保債権の消滅時効中断の効力が生じた後、債権者が右競売の申立てを取り下げたときは、時効中断の効力は、初めから生じなかったことになる。

前条:
民法第148条
(強制執行等による時効の完成猶予及び更新)
民法
第1編 総則

第7章 時効

第1節 総則
次条:
民法第150条
(催告による時効の完成猶予)
このページ「民法第149条」は、まだ書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にトークページへどうぞ。