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民法第520条の13

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法コンメンタール民法第3編 債権 (コンメンタール民法)

条文

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(記名式所持人払証券の譲渡)

第520条の13
記名式所持人払証券(債権者を指名する記載がされている証券であって、その所持人に弁済をすべき旨が付記されているものをいう。以下同じ。)の譲渡は、その証券を交付しなければ、その効力を生じない。

解説

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記名式所持人払証券とは、債権者を指名する記載とともに、所持人に弁済をすべき旨が付記されている有価証券であり、裏書の連続と持参呈示のいずれに対する弁済も有効となる。規定は、2017年改正にて新設された。
記名式所持人払証券は、裏書の制度を有するが、譲渡にあたって証券の交付が要件とされ(本条)、かつ善意取得が認められる(第520条の15)。したがって、裏書の「権利移転的効力」はない。また、所持人が権利者として推定される(第520条の15)ため、裏書の「資格授与的効力」もない。このような性質から、大方の機能は、無記名証券(第520条の20)に等しい。同等の性質を有する小切手である「選択持参人払式小切手」は持参人払式小切手とみなされている(小切手法第5条第2項)。
但し、裏書人には遡求義務はあるものとされ、「担保的効力」は有している。

参照条文

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判例

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前条:
民法第520条の12
(指図証券喪失の場合の権利行使方法)
民法
第3編 債権

第1章 総則

第7節 有価証券
次条:
民法第520条の14
(記名式所持人払証券の所持人の権利の推定)
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