民法第942条
表示
法学>民事法>コンメンタール民法>第5編 相続 (コンメンタール民法)>民法第942条
条文
[編集](相続財産分離の効力)
- 第942条
- 財産分離の請求をした者及び前条第2項の規定により配当加入の申出をした者は、相続財産について、相続人の債権者に先だって弁済を受ける。
解説
[編集]- 相続財産分離の効果について定める。明治民法第1042条を継承。
- 相続人の財産のうち財産分離をした部分について、相続債権者及び受遺者は、相続人の債権者に優先して弁済を受ける権利を有する。先取特権に酷似する制度である[1]。
参照条文
[編集]註
[編集]
- ^ 本條ノ規定ハ特ニ相續債權者及ヒ受遺者ノ特權ヲ認メタルニ過キスシテ敢テ相續人ノ債權者ヲ相續財產ヨリ除斥シタルモノニ非ス。ユエニ若シ相續債權者及ヒ受遺者カ悉ク弁濟ヲ受ケタル後尙殘餘アルトキハ相續人ノ債權者ハ相續財產ニ付テモ亦弁濟ヲ受クヘキコト固ヨリナリ。以上論スル所ニ據レハ相續債權者及ヒ受遺者ノ權利ハ先取特權ニ酷似スルモノアリ。(梅謙次郎『民法要義』)
参考
[編集]明治民法において、本条には後見人等と被後見人の間の債権債務に関する消滅時効についての以下の規定があった。趣旨は、民法第875条に継承された。
- 第八百九十四条ニ定メタル時効ハ後見人、後見監督人又ハ親族会員ト被後見人トノ間ニ於テ後見ニ関シテ生シタル債権ニ之ヲ準用ス
- 前項ノ時効ハ第九百三十九条ノ規定ニ依リテ法律行為ヲ取消シタル場合ニ於テハ其取消ノ時ヨリ之ヲ起算ス
|
|