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雇用保険法第33条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

条文

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【失職責任が被保険者にあるときの給付制限】

第33条  
  1. 被保険者が自己の責めに帰すべき重大な理由によつて解雇され、又は正当な理由がなく自己の都合によつて退職した場合には、第21条の規定による期間の満了後1箇月以上3箇月以内の間で公共職業安定所長の定める期間は、基本手当を支給しない。ただし、公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける期間及び当該公共職業訓練等を受け終わつた日後の期間については、この限りでない。
  2. 受給資格者が前項の場合に該当するかどうかの認定は、公共職業安定所長が厚生労働大臣の定める基準に従つてするものとする。
  3. 基本手当の受給資格に係る離職について第1項の規定により基本手当を支給しないこととされる場合において、当該基本手当を支給しないこととされる期間に7日を超え30日以下の範囲内で厚生労働省令で定める日数及び当該受給資格に係る所定給付日数に相当する日数を加えた期間が1年(当該基本手当の受給資格に係る離職の日において第22条第2項第1号に該当する受給資格者にあつては、1年に60日を加えた期間)を超えるときは、当該受給資格者の受給期間は、第20条第1項及び第2項の規定にかかわらず、これらの規定による期間に当該超える期間を加えた期間とする。
  4. 前項の規定に該当する受給資格者については、第24条第1項中「第20条第1項及び第2項」とあるのは、「第33条第3項」とする。
  5. 第3項の規定に該当する受給資格者が広域延長給付、全国延長給付又は訓練延長給付を受ける場合におけるその者の受給期間についての調整に関して必要な事項は、厚生労働省令で定める。

解説

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失職の原因は、一般的に、雇用主側の事情による通称「会社都合(退職・失職)」とそうではない「自己都合(退職)」に分けられるとされ、自己都合退職(懲戒解雇等を含み、「正当な理由」のある場合を除く)の場合、退職後、一定期間(1〜3ヶ月)は給付がなされない。これは、失業等給付請求の濫用を回避するなどの目的による(懲戒等による解雇に合わせ、自己都合退職時の給付制限も懲罰的意図とすると、憲法の保障する「職業選択の自由」を侵害することとなる)。
  1. 「会社都合」とされるのは、会社が被雇用者に何らの責任がないにもかかわらず解雇ができる場合などであって、雇用者による解雇が厳しく制限されている日本の法制度においては要件が限定されている。また、会社の経営位方針の転換により、労働環境が転換前と大きく変化した場合も会社都合となる。「会社都合」として認められる場合は、概ね第23条第2項に定める以下の「特定受給資格者」の要件と考えて良い。
    1. 当該離職が、その者を雇用していた事業主の事業について発生した倒産(破産手続開始、再生手続開始、更生手続開始又は特別清算開始の申立てその他厚生労働省令で定める事由に該当する事態)又は当該事業主の適用事業の縮小若しくは廃止に伴うものである者として厚生労働省令で定めるもの
    2. そのほか、解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由によるものを除く)その他の厚生労働省令で定める理由により離職した者
      • 厚生労働省令で定める理由
        雇用保険法施行規則第36条 - 以下を離職の理由とする場合、会社都合とされる(「*」は労働者自ら退職を申し出るもの)。
        1. 懲戒等を原因としない解雇(同条第1号)。- 再掲、労働契約法第16条参照
        2. *労働契約の締結に際し明示された労働条件が事実と著しく相違した(同条第2号)。
        3. *賃金未払い等がある(同条第3号及び第4号)。
        4. *過剰な時間外労働がある他十分な健康管理等がなされていない(同条第5号)。
        5. *職種転換に際して十分な配慮をしていない(同条第6号)。
        6. *労働契約が適正に更新されていない(同条第7号及び第7号の2)。
        7. *雇用主等から就業環境が著しく害されるような言動を受けた(同条第8号)。
        8. *退職勧奨を受けた(同条第9号)。
        9. *3ヶ月以上就労を拒否された(同条第10号)。
        10. *事業所の業務が法令に違反した(同条第11号)。
  2. 「自己都合」とされるのは、広くは離職理由が「会社都合」ではないものを言うが、一般にはそのうち、自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇(懲戒解雇等)を除くものとされる。
    1. 懲戒解雇等に関しては、支給制限の最大である3ヶ月間の支給停止となることが一般的である。
    2. 「正当な理由」なく、退職を申し出た場合(狭義の「自己都合退職」)も離職後一定期間の支給制限を受ける。以前は懲戒解雇等と同じ3ヶ月間が多かったが、現在では、2ヶ月とするのが一般的な運用である。
      • ここでいう給付の制限を受けない「正当な理由」としては、上記規則第35条第3号及び第4号、規則第36条第2号から第11号までに相当する、労働者に勤務の継続を求めるには酷な状況にあるものをいう。

参照条文

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判例

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前条:
雇用保険法第32条
(給付制限)
雇用保険法
第3章 失業等給付

第2節 一般被保険者の求職者給付

第1款 基本手当
次条:
雇用保険法第34条
【不正な受給等があるときの給付制限】
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