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国家賠償法第2条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学コンメンタール国家賠償法

条文

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第2条
  1. 道路、河川その他の公の営造物の設置又は管理に瑕疵があったために他人に損害を生じたときは、国又は公共団体は、これを賠償する責に任ずる。
  2. 前項の場合において、他に損害の原因について責に任ずべき者があるときは、国又は公共団体は、これに対して求償権を有する。

解説

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損害賠償責任は、無過失責任である。

要件

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公の営造物(公物)の範囲

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公の営造物(公物)とは、
  • 国または公共団体により公の目的に供される有体物ないしは物的施設をいう。(判例・通説)
    • 公の目的に供される」の意義
    • 有体物ないしは物的施設」の意義
      1. 不動産及びその付帯物のみならず動産も含まれる(民法第717条との対比)

設置又は管理の瑕疵

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不可抗力
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参照条文

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  • 民法第717条(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)

判例

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1項
  1. 高知国道落石事件(最高裁判例 昭和45年08月20日)
    国家賠償法2条1項による営造物の設置または管理の瑕疵に基づく国および公共団体の損害賠償責任については、過失の存在を必要としない。
  2. 損害賠償請求(最高裁判例 昭和50年07月25日)国家賠償法第3条1項,道路法第13条1項,道路法第42条1項
  3. 損害賠償(最高裁判例 昭和56年07月16日)
  4. 大阪国際空港夜間飛行禁止等(最高裁判例 昭和56年12月16日)民訴法第2編第1章訴民訴法226条民法第709条
    営造物の利用の態様及び程度が一定の限度を超えるために利用者又は第三者に対して危害を生ぜしめる危険性がある場合と国家賠償法2条1項にいう営造物の設置又は管理の瑕疵
    営造物の利用の態様及び程度が一定の限度にとどまる限りはその施設に危害を生ぜしめる危険性がなくても、これを超える利用によつて利用者又は第三者に対して危害を生ぜしめる危険性がある状況にある場合には、そのような利用に供される限りにおいて右営造物につき国家賠償法2条1項にいう設置又は管理の瑕疵があるものというべきである。
  5. 損害賠償(最高裁判例 昭和59年01月26日)
  6. 損害賠償(最高裁判例 昭和60年03月28日)
  7. 損害賠償(最高裁判例 昭和61年03月25日)
  8. 多摩川水害訴訟(最高裁判例 平成2年12月13日)
    工事実施基本計画に準拠して新規の改修、整備の必要がないものとされた河川における河川管理の瑕疵の有無は、同計画に定める規模の洪水における流水の通常の作用から予測される災害の発生を防止するに足りる安全性を備えているかどうかによつて判断すべきである
  9. 損害賠償請求、仮執行金返還
  10. 国家賠償(最高裁判例 平成8年07月12日)

前条:
第1条
国家賠償法
次条:
第3条
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