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民法第160条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法民法コンメンタール民法第1編 総則 (コンメンタール民法)民法第160条

条文

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相続財産に関する時効の完成猶予

第160条
相続財産に関しては、相続人が確定した時、管理人が選任された時又は破産手続開始の決定があった時から6箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

改正経緯

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2017年改正により、見出しの「時効の停止」を「時効の完成猶予」に改正

解説

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相続財産に関する権利関係の時効の完成猶予につき規定している。

参照条文

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判例

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  1. 土地所有権確認、土地所有権移転登記手続請求(最高裁判決 昭和35年09月02日)民法第162条2項
    相続財産の管理人選任前取得時効期間が満了した場合と民法第160条
    民法第160条は、相続財産の管理人の選任前、相続財産たる土地を、所有の意思をもつて、平穏、公然、善意無過失で10年間占有した場合にも、その適用があるものと解すべきである。
  2. 損害賠償請求事件(最高裁判決 平成21年04月28日)民法第724条
    被害者を殺害した加害者が被害者の相続人において被害者の死亡の事実を知り得ない状況を殊更に作出したため相続人がその事実を知ることができなかった場合における上記殺害に係る不法行為に基づく損害賠償請求権と民法724条後段の除斥期間
    被害者を殺害した加害者が被害者の相続人において被害者の死亡の事実を知り得ない状況を殊更に作出し,そのために相続人はその事実を知ることができず,相続人が確定しないまま上記殺害の時から20年が経過した場合において,その後相続人が確定した時から6か月内に相続人が上記殺害に係る不法行為に基づく損害賠償請求権を行使したなど特段の事情があるときは,民法160条の法意に照らし,同法724条後段の効果は生じない。
前条:
民法第159条
(夫婦間の権利の時効の完成猶予)
民法
第1編 総則

第7章 時効

第1節 総則
次条:
民法第161条
(天災等による時効の完成猶予)
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