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民法第3条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法民法コンメンタール民法第1編 総則 (コンメンタール民法)

条文

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(権利能力)

第3条
  1. 私権の享有は、出生に始まる。
  2. 外国人は、法令又は条約の規定により禁止される場合を除き、私権を享有する。

解説

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自然人権利能力の発生時期一般と、外国人の権利能力の範囲について定めた規定である。
民法起草当時は、現在の民法第1条及び民法第2条は規定されておらず、本条が民法典の第1条であった。これは天賦人権説を背景とするものであり、私権はその人の出自等にかかわらず、人として生まれることにより等しく享有することができるという、近代市民社会の原則が謳われると言う意義を有した。

人はいつ生まれるか(権利能力の始期)

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すべての自然人は、出生と同時に権利能力を取得する事になる。つまり「生まれる」と同時に権利と義務の主体となるわけだが、では「生まれる」とはどういう状態を指すのであろうか。これについては倫理的、宗教的見地から様々な意見がある。しかし、通説は「生きて母体から完全に分離した時」を「生まれた」時とする説(全部露出説)を採用している。この点で、民法の通説は、一部露出説を採用する刑法の判例・通説と意見を異にしている。なお、出生の時期に関する諸説については人の始期の項を参照の事。

人はいつ死ぬのか(権利能力の終期)

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民法上、人の終期に関する直接の記述はない。しかし、各条文によって「死亡」失踪宣告が「人が権利能力を喪失する場面」であることが定められている。このことから、「死亡」及び「失踪宣告」が人及び権利能力の終期であると言える。死亡の判定に関する諸説は人の終期を参照。

胎児と脳死

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胎児(人の始期の修正)

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  • 不法行為については、民法第721条(損害賠償請求権に対する胎児の権利能力)参照。
  • 相続については、民法第886条(相続に対する胎児の権利能力)参照。

脳死(人の終期の修正)

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参照条文

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英文出典等

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Article 3 The enjoyment of private rights shall commence at birth.
(2) Unless otherwise provided by applicable laws, regulations or treaties, foreign nationals shall enjoy private rights.

前条:
民法第2条
(解釈の基準)
民法
第1編 総則

第2章 人

第1節 権利能力
次条:
民法第3条の2
(意思表示)
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