ラテン文学/ローマ文学の年表

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はじめに[編集]

ローマ文学 (古典古代・古代ローマ時代のラテン文学) の年表

ローマ文学の時代区分
区 分 古ラテン語 古典ラテン語 後期ラテン語
黄金期 白銀期
ローマ時代区分 ローマ共和制中期
(前240頃~75頃)
共和制末期~帝制初期
(前75頃~後17)
帝制前期
(後17~2世紀頃)
帝制後期以降
(後2世紀以降)
代表的な作家 プラウトゥス、
テレンティウス
キケロー、カエサル、
ウェルギリウス、
ホラーティウス、
オウィディウス、
リーウィウス
セネカ、
プリーニウス、
タキトゥス
スエートーニウス、
アープレーイウス
アンブロシウス
アウグスティーヌス
同時代の
作家・著作
ヘレニズム期 ローマ帝制期
アポローニオス
ポリュビオス
ディオドロス
ストラボーン
プルータルコス
アッピアーノス
アッリアーノス
パウサーニアース
ルーキアーノス
アテーナイオス
司馬遷『史記』 班固『漢書』 陳寿『三国志』、
『マハーバーラタ』

古ラテン語文学の年表[編集]

西暦 ラテン文学のできごと 同時代のできごと
前290頃 ギリシアの喜劇作家メナンドロスが没す
前284 「ラテン文学の父」リーウィウス・アンドロニークスがこの頃生まれたとされる[1]
前280 ピュロス戦争(~275)
前270 叙事詩人ナエウィウスが生まれる[2] ギリシアの哲学者エピクロスが没す
前264 第一次ポエニ戦役(~241)
前254頃 ローマ喜劇最大の作家プラウトゥスが生まれる[3]
前240 「ラテン文学の父」リーウィウス・アンドロニークスが最初の悲劇を上演
前239 「ラテン詩の父」エンニウスが生まれる[4]
前235 ローマ国民叙事詩の創始者ナエウィウスが『ポエニ戦争』の創作開始
前234 「ラテン散文の父」大カトーが生まれる[5]
前219 喜劇作家カエキリウス・スターティウス Caecilius Statius が生まれる[6]
前218 第二次ポエニ戦役(~202)
前218 ハンニバルのアルプス越え
前216 カンナエの戦い
前202 ザマの戦い
前215 アルゴナウティカ』の著者
アポローニオスがこの頃没す
前212 ギリシアの数学者アルキメデスが没す
前210 プラウトゥスの最初の喜劇が上演される
前208頃 ギリシアの史家ポリュビオスが生まれる[7]
前205-4 この頃、「ラテン文学の父」リーウィウス・アンドロニークスが没す[8]
前201 この頃、ナエウィウスが没す[9] ギリシア語でローマ史を著した、
ファビウス・ピクトルが没す
前195か
前185
プラウトゥスに次ぐ喜劇作家テレンティウスが生まれる[10]
前194頃 ギリシア人学者エラトステネースが没す
前186 プラウトゥスの最後の喜劇が上演される
前184 プラウトゥスが没する[11] 前184-182 大カトーが監察官
前180 風刺詩の創始者ルーキーリウスが生まれる[12]
前170 悲劇詩人アッキウス Accius がこの頃生まれる[13]
前169 エンニウスが没する[14]
前168 ピュドナの戦いでローマがマケドニアを破る。

ギリシアの史家ポリュビオスらがローマへ連行される(167~151)[15]

前166 この頃、喜劇作家カエキリウス・スターティウス Caecilius Statius が没す[16]
テレンティウスの最初の喜劇上演 『アンドロス(島)の女』 Andria
前161 テレンティウスの喜劇上演 『宦官』 Eunuchus
前160 テレンティウスの最後の喜劇上演 『兄弟』 Adelphoe
前159 テレンティウスが没する[17]
前149 大カトーが没する[18] 第三次ポエニ戦役勃発(~146)
共和制末期の内乱時代が始まる
前133 グラックス兄弟(兄)の改革頓挫
前130頃 この頃、悲劇作家パークウィウス Pacuvius が没す
ルーキーリウスが『風刺詩』で風刺詩を創始
前125頃 歴史』の著者ポリュビオスが没す[19]
前123 グラックス兄弟(弟)の改革頓挫
前116 ローマの大学者ウァッロー(ワロ)が生まれる[20]
前113 キンブリ・テウトニ戦争(~101)
前112 ユグルタ戦争(~106)
前107 マリウスが執政官
前106 ラテン散文の完成者・模範とされるキケローが生まれる[21]
前102頃 ルーキーリウスが没する[22]
前100 キケローと並びラテン散文の模範とされるカエサルが生まれる[23]
前99? 哲学的叙事詩人ルクレーティウスが生まれる[24]
伝記作家コルネリウス・ネポースがこの頃生まれる[25]
前91 同盟市戦争(~88)
前88 第一次ミトリダテス戦役(~85)
前87 マリウスとスッラの内戦勃発
前86 政治家・歴史家サッルスティウスが生まれる[26] マリウスが没す
この頃、悲劇作家アッキウス Accius が没す[27]
前84頃 抒情詩人カトゥッルスが生まれる[28]
前82 スッラが独裁官
前79 独裁官スッラが没す

黄金期の年表[編集]

西暦 ラテン文学のできごと 同時代のできごと
前76 キケローが財務官
前73 スパルタクスの反乱(~71)
前71 スパルタクスの集団が鎮圧される
前70 ラテン文学黄金期最高の詩人 ウェルギリウス が生まれる 按察官キケローがウェッレースを弾劾
キケロー『ウェッレース弾劾演説』 In Verrem
前65 ラテン文学黄金期の抒情詩人 ホラーティウス が生まれる
前65-60頃 ルクレーティウスの哲学的叙事詩『物の本質について』 De rerum natura
前63 キケロー『カティリーナ弾劾演説In Catilinam 執政官キケローがカティリーナを弾劾
前61-54頃 カトゥッルス『詩集』 Carmina
前60 カエサルポンペイウスクラッスス
非公式な協定を結ぶ(三頭政治
前59頃? ラテン文学黄金期を代表する年代記作家 リーウィウス が生まれる 59 カエサルが執政官
前58-50 カエサルガリア戦記Commentarii de bello Gallico カエサルがガリア遠征(~50)
前55 キケロー『弁論家について』 De oratore
ルクレーティウスが没す
前54 キケロー『国家について』 De re publica
カトゥッルスが没す。
エレゲイア詩人 ティブッルス が生まれる
前52 キケロー『法律について』 De legibus
前50 エレゲイア詩人 プロペルティウス が生まれる
前49-45 カエサルとポンペイウス・門閥派の内戦
前44 キケロー『義務について』 De officiis
キケロー『友情について』 Laelius de amicitia
キケロー『老年について』 Cato maior de senectute
カエサルがブルートゥスらによって暗殺される
前43 キケローがアントニウスによって暗殺される
ラテン文学黄金期の第三の詩人 オウィディウス が生まれる
サッルスティウス『カティリーナの陰謀』 Catilinae coniuratio
前42 この頃、ウェルギリウス『牧歌 (詩選)』 Bucolica (Eclogae)
前29 この頃、ウェルギリウス『農事詩』 Georgica


白銀期の年表[編集]

西暦 ラテン文学のできごと 同時代のできごと


後期ラテン語文学の年表[編集]

西暦 ラテン文学のできごと 同時代のできごと


脚 注[編集]

  1. ^ #高津 (1967)
  2. ^ #高津 (1967)
  3. ^ #高津 (1967)では前250年
  4. ^ #高津 (1967)
  5. ^ #高津 (1967)
  6. ^ #高津 (1967)
  7. ^ #高津 (1967)では前200年
  8. ^ #高津 (1967)では前204年
  9. ^ #高津 (1967)では前201年以後
  10. ^ #高津 (1967)では前195年
  11. ^ #高津 (1967)
  12. ^ #高津 (1967)
  13. ^ #高津 (1967)
  14. ^ #高津 (1967)
  15. ^ #高津 (1967)
  16. ^ #高津 (1967)では前168年没
  17. ^ #高津 (1967)
  18. ^ #高津 (1967)
  19. ^ #高津 (1967)では前120年
  20. ^ #高津 (1967)
  21. ^ #高津 (1967)
  22. ^ #高津 (1967)
  23. ^ #高津 (1967)では前102年
  24. ^ #高津 (1967)
  25. ^ #高津 (1967)
  26. ^ #高津 (1967)
  27. ^ #高津 (1967)
  28. ^ #高津 (1967)

参考文献[編集]

  • 集英社 世界文学事典』。
    (『世界文学事典』編集委員会 編、集英社、2002年2月、ISBN 4-08-143007-1)
  • 集英社 世界文学大事典』。
    (『世界文学大事典』編集委員会 編、集英社、全6巻)
    1. 第1巻 人名 ア~クリメ (1996年10月、ISBN 4-08-143001-2)
    2. 第2巻 人名 クリヤ~チ (1997年1月、ISBN 4-08-143002-0)
    3. 第3巻 人名 ツ~ヘメ  (1997年4月、ISBN 4-08-143003-9)
    4. 第4巻 人名 ヘヤ~ン (1997年7月、ISBN 4-08-143004-7)
  • 増補改訂 新潮世界文学辞典』。
    (新潮社辞典編集部 編、新潮社、1990年4月、ISBN 4-10-730209-1)
  • ギリシア・ローマの文学』。
    高津春繁 著、明治書院「世界の文学史 1」、1967年3月)
    巻末の「ギリシア・ローマ文学年表」を参考にした。

関連項目[編集]


外部リンク[編集]

コトバンク