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刑法第126条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

条文[編集]

(汽車転覆等及び同致死)

第126条
  1. 現に人がいる汽車又は電車を転覆させ、又は破壊した者は、無期又は3年以上の拘禁刑に処する。
  2. 現に人がいる艦船を転覆させ、沈没させ、又は破壊した者も、前項と同様とする。
  3. 前二項の罪を犯し、よって人を死亡させた者は、死刑又は無期拘禁刑に処する。

改正経緯[編集]

2022年、以下のとおり改正(施行日2025年6月1日)。

(改正前)懲役
(改正後)拘禁刑

解説[編集]

参照条文[編集]

第1項及び第2項の罪の未遂は、罰する。

判例[編集]

  1. 電車顛覆致死、偽証(最高裁判決 昭和30年06月22日、三鷹事件)刑事訴訟法第379条,刑事訴訟法第400条,刑事訴訟法第319条2項,刑事訴訟法第319条1項,刑事訴訟法第376条,刑法第127条,憲法第13条,憲法第36条,憲法第31条,憲法第38条3項,憲法第28条,憲法第38条2項,公共企業体労働関係法第2条,公共企業体労働関係法第17条,公共企業体労働関係法第18条
    1. 刑訴第379条の場合は、訴訟手続の法令違反が判決に影響をおよぼすべき可能性があるというだけでは、控訴理由とすることはできないのであつて、その法令違反がなかつたならば現になされている判決と異る判決がなされたであろうという蓋然性がある場合でなければ、同条の法令違反が判決に影響をおよぼすことが明らかであるということはできない。
    2. 刑法第127条は、刑法第125条の罪を犯し因て汽車又は電車の顛覆若しくは破壊を致し、因て人の致死の結果を生じた場合には、刑法第126条第3項の例により処断すべきことを規定したものと解するを相当とする。 (少数意見がある。)
    3. 刑法第126条第3項にいう「人」とは、必ずしも同条第1項の車中に現在した人に限定すべきでなく、汽車または電車の顛覆若しくは破壊に因つて死に致された人をすべて包含する法意と解するを相当する。
    4. 刑法第127条にいう「汽車又は電車」には、刑法第125条の犯行に供用されたものを含むものと解すべきである。
    5. 刑法第127条が、刑法第126条第3項の例により汽車または電車の顛覆若しくは破壊による人の致死の場合に、死刑をもつて処断し得ることを定めても、憲法第13条、第36条に違反しない。
    6. 刑訴第400条但書は、控訴審において事実の取調をする必要がないと認める場合でも、必ず新たな証拠の取調をした上でなければ自判できない旨を規定しているものと解すべきではない。また控訴審において記録調査及び事実取調の結果第1審判決を破棄すべき理由ありと認め、かつそれ以上審理をなすまでもなく判決をなすに熟していると認められ、しかも客観的に見て自判の結果が差戻または移送後の第1審判決よりも被告人にとつて不利益でないということが確信される場合ならば、自判により第1審判決の無期懲役の宣告刑を変更して死刑を言い渡すことも、必ずしも違法ということはできない。 (少数意見がある。)
    7. 被告人の自白について、同人が犯罪の実行者であると推断するに足る直接の補強証拠が欠けていても、その他の点について補強証拠が備わり、それと被告人の自白とを綜合して犯罪事実を認定するに足る以上、憲法第38条第3項の違反があるということはできない。
    8. 日本国有鉄道職員が公共企業体労働関係法第17条により争議行為を禁止されても、憲法第28条に違反しない。
  2. 船車覆没致死、電汽車顛覆、殺人、同未遂、傷害、爆発物取締罰則違反(最高裁判決 昭和46年04月22日)
    汽車または電車の「破壊」の意義
    汽車または電車の「破壊」とは、汽車または電車の実質を害してその交通機関としての機能の全部または一部を失わせる程度の損壊をいう。
    電車の「破壊」にあたるとされた事例
    爆発物の爆発により、横須賀線電車5号車両の屋根、天井に張られた鉄板および合金板4枚、座席7個、網棚、窓ガラス4枚のほか、車体付属品8点が損壊され、爆発物の破片等が床上いつぱいに散乱して、乗客を乗せて安全な運転を続けることができないような状態になつたときは、刑法126条1項にいう電車の「破壊」にあたる。
  3. 艦船覆没、詐欺、漁業法第違反(最高裁決定 昭和55年12月09日)
    艦船の「破壊」にあたるとされた事例
    人の現在する漁船(267総トン、鋼質船)の船底部約3分の1を厳寒の千島列島ウルツプ島海岸の砂利原に乗り上げさせて坐礁させたうえ、同船機関室内の海水取入れパイプのバルブを開放して同室内に約19.4トンの海水を取り入れ、自力離礁を不可能ならしめて、同船の航行能力を失わせた等の事実関係のもとにおいては、船体自体に破損が生じていなくても、右所為は刑法126条2項にいう艦船の「破壊」にあたる。
  4. 艦船覆没、詐欺(最高裁判決 昭和58年10月26日)刑法第1条,船舶法第1条
    刑法第1条第2項にいう「日本船舶」にあたるとされた事例
    本件覆没行為の当時船舶法第1条第3号の要件を備えていたものと認められる本件船舶は、刑法第1条第2項にいう「日本船舶」にあたる。
    1. 船舶法第1条第3号「日本ノ法令ニ依リ設立シタル会社ニシテ其代表者ノ全員及ビ業務ヲ執行スル役員ノ三分ノ二以上ガ日本国民ナルモノノ所有ニ属スル船舶」
    公海上における船舶覆没行為につき刑法第1条第2項により同法第126条第2項の規定の適用があるとされた事例
    公海上で、日本船舶の乗組員が同船舶の船底弁を引き抜き海水を船内に浸入させて人の現在する船舶を覆没させた行為については、刑法第1条第2項により同法第126条第2項の規定の適用がある。

前条:
刑法第125条
(往来危険)
刑法
第2編 罪
第11章 往来を妨害する罪
次条:
刑法第127条
(往来危険による汽車転覆等)
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