刑法第155条
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条文
[編集](公文書偽造等)
- 第155条
- 行使の目的で、公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造した者は、1年以上10年以下の拘禁刑に処する。
- 公務所又は公務員が押印し又は署名した文書又は図画を変造した者も、前項と同様とする。
- 前二項に規定するもののほか、公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は公務所若しくは公務員が作成した文書若しくは図画を変造した者は、3年以下の拘禁刑又は20万円以下の罰金に処する。
改正経緯
[編集]2022年、以下のとおり改正(施行日2025年6月1日)。
- (改正前)懲役
- (改正後)拘禁刑
解説
[編集]作成権限のない者が公文書を作成し、又は真正な公文書の本質的部分を改ざんすることを処罰する規定である。つまり公文書の有形偽造に関する規定である。
参照条文
[編集]- 旅券法第13条(一般旅券の発給等の制限)
判例
[編集]- 偽造公文書行使、公文書偽造、詐欺、収賄(最高裁判決 昭和25年02月28日)
- 公務員による公文書僞造罪の成否
- 行使の目的を以て、作成權限がないにかかわらず公務所亦は公務員の印章若くは署名を冒用して公務所亦は公務員の作るべき文書を作成すれば、たとえ該文書を作成した者が公務員であつても刑法第159條第1項の罪が成立する。
- 有印公文書偽造、同行使、道路交通法違反(最高裁判所大法廷判決昭和44年6月18日)刑法45条,刑法54条,刑法158条,道路交通法95条
- 牽連犯を構成する二罪の中間に別罪の確定裁判が介在する場合と刑法54条の適用
- 牽連犯を構成する手段となる犯罪と結果となる犯罪との中間に別罪の確定裁判が介在する場合においても、なお刑法54条の適用がある。 (少数意見がある。)
- ①昭和40年1月28日有印公文書である福岡県公安委員会作成名義の大型自動車運転免許証1通を偽造した事実(第155条-公文書等偽造が成立)と②昭和42年10月22日から同年12月1日までの間19回にわたり、タクシー運転手として営業用普通自動車を運転した際右偽造運転免許証を携帯行使した事実(本条-偽造公文書行使が成立)との間に昭和41年1月26日宣告、同年2月10日確定の窃盗、有印私文書偽造、同行使罪による懲役一年の確定裁判があった事例。
- 有印公文書偽造、同行使(最高裁判決 昭和51年05月06日)
- 補助公務員による手続違反の公文書作成につき公文書偽造罪の成立が否定された事例
- 市長の代決者である課長を補助し、一定の手続に従つて印鑑証明書の作成にあたつていた補助公務員が、右手続の要求する申請書の提出と手数料の納付をせずに、自己の用に供するため印鑑証明書を作成した行為は、判示の事情のもとにおいては、作成権限に基づくものとして、公文書偽造罪を構成しない。
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