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民法第964条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
民法第1064条 から転送)

法学民事法コンメンタール民法第5編 相続 (コンメンタール民法)

条文[編集]

包括遺贈及び特定遺贈)

第964条
遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分することができる。

改正経緯[編集]

2018年改正にて、以下の但書を削除。

ただし、遺留分に関する規定に違反することができない。
  • 遺留分について物権的な分割から、金銭債権による解決に変わったこと(第1042条)に伴う改正。

解説[編集]

参照条文[編集]

判例[編集]

  • 遺言無効確認等(最高裁判決 昭和61年11月20日)民法第90条
    不倫な関係にある女性に対する包括遺贈が公序良俗に反しないとされた事例
    妻子のある男性がいわば半同棲の関係にある女性に対し遺産の三分の一を包括遺贈した場合であつても、右遺贈が、妻との婚姻の実体をある程度失つた状態のもとで右の関係が約六年間継続したのちに、不倫な関係の維持継続を目的とせず、専ら同女の生活を保全するためにされたものであり、当該遺言において相続人である妻子も遺産の各三分の一を取得するものとされていて、右遺贈により相続人の生活の基盤が脅かされるものとはいえないなど判示の事情があるときは、右遺贈は公序良俗に反するものとはいえない。
    • 無条件で公序良俗に反していないとするものではなく、「右遺贈により相続人の生活の基盤が脅かされるものではない」などの条件がついており、事情によっては公序良俗に反し無効と判断されることもありうる。
  • 土地所有権移転登記手続 (最高裁判決 平成3年04月19日)民法第908条民法第985条
    1. 特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」趣旨の遺言の解釈
      特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」趣旨の遺言は、遺言書の記載から、その趣旨が遺贈であることが明らかであるか又は遺贈と解すべき特段の事情のない限り、当該遺産を当該相続人をして単独で相続させる遺産分割の方法が指定されたものと解すべきである。
    2. 特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」趣旨の遺言があった場合における当該遺産の承継
      特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」趣旨の遺言があった場合には、当該遺言において相続による承継を当該相続人の意思表示にかからせたなどの特段の事情のない限り、何らの行為を要せずして、当該遺産は、被相続人の死亡の時に直ちに相続により承継される。

参考[編集]

  1. 明治民法において、本条には家督相続に関する以下の規定があった。家制度廃止に伴い継承なく廃止された。
    家督相続ハ左ノ事由ニ因リテ開始ス
    1. 戸主ノ死亡、隠居又ハ国籍喪失
    2. 戸主カ婚姻又ハ養子縁組ノ取消ニ因リテ其家ヲ去リタルトキ
    3. 女戸主ノ入夫婚姻又ハ入夫ノ離婚
  2. 明治民法第1064条
    遺言者ハ包括又ハ特定ノ名義ヲ以テ其財産ノ全部又ハ一部ヲ処分スルコトヲ得但遺留分ニ関スル規定ニ違反スルコトヲ得ス

前条:
民法第963条
(遺言能力)
民法
第5編 相続

第7章 遺言

第1節 総則
次条:
民法第965条
(相続人に関する規定の準用)
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