民法第1014条
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(民法第1116条 から転送)
法学>民事法>民法>コンメンタール民法>第5編 相続 (コンメンタール民法) 法学>コンメンタール>コンメンタール民法>第5編 相続
条文
[編集](特定財産に関する遺言の執行)
- 第1014条
- 前三条の規定は、遺言が相続財産のうち特定の財産に関する場合には、その財産についてのみ適用する。
- 遺産の分割の方法の指定として遺産に属する特定の財産を共同相続人の一人又は数人に承継させる旨の遺言(以下「特定財産承継遺言」という。)があったときは、遺言執行者は、当該共同相続人が第899条の2第1項に規定する対抗要件を備えるために必要な行為をすることができる。
- 前項の財産が預貯金債権である場合には、遺言執行者は、同項に規定する行為のほか、その預金又は貯金の払戻しの請求及びその預金又は貯金に係る契約の解約の申入れをすることができる。ただし、解約の申入れについては、その預貯金債権の全部が特定財産承継遺言の目的である場合に限る。
- 前二項の規定にかかわらず、被相続人が遺言で別段の意思を表示したときは、その意思に従う。
改正経緯
[編集]1018年改正により、第2項から第4項までを追加。
解説
[編集]- 遺言には、遺産全部に関するものと遺産のうち特定の財産に関するものがあることは第964条に定められるとおりであるが、遺言が特定財産のみになされた場合、当該財産に関してのみ、遺言執行の事務を行うことについて定める(明治民法第1116条由来)。
- 1018年改正により、共同相続における権利の承継の対抗要件についての規律が定められ、法定相続分を超えた相続権利は、登記等対抗要件を備えなければ第三者に対抗できないこととなったが、受遺者である相続人の権利を守るため、遺言執行者が登記等の手続きができることとした。
- 遺贈の目的物が預貯金債権である場合、遺言執行人が金融機関に対して解約の申し入れができる旨の根拠規定をおいた。
参照条文
[編集]前三条の規定
判例
[編集]参考
[編集]- 明治民法において、本条には遺産の分割によって受けた債権についての担保責任に関する以下の規定があった。趣旨は、民法第912条に継承された。
- 各共同相続人ハ其相続分ニ応シ他ノ共同相続人カ分割ニ因リテ受ケタル債権ニ付キ分割ノ当時ニ於ケル債務者ノ資力ヲ担保ス
- 弁済期ニ在ラサル債権及ヒ停止条件附債権ニ付テハ各共同相続人ハ弁済ヲ為スヘキ時ニ於ケル債務者ノ資力ヲ担保ス
- 明治民法第1116条
- 前三条ノ規定ハ遺言カ特定財産ニ関スル場合ニ於テハ其財産ニ付テノミ之ヲ適用ス
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