民法第119条

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法学民事法民法コンメンタール民法第1編 総則

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条文[編集]

無効な行為の追認

第119条
無効な行為は、追認によっても、その効力を生じない。ただし、当事者がその行為の無効であることを知って追認をしたときは、新たな行為をしたものとみなす。

解説[編集]

無効の法的効果と、無効な行為に対して、追認がなされた場合の処理を定めた規定である。

「追認によっても、その効力を生じない」とは、遡及効をもたらすような追認ができないということである(ただし、当事者間で遡及効があった場合と同様の効果をもたらすような取り決めをすることは妨げられないと解されている。)。

その行為につき当事者が悪意であるときは、新たな行為があったとみなされるのみで、追認の効果は発生しない。

関連条文[編集]

参考文献[編集]

  • 我妻栄『新訂民法総則(民法講義1)』(岩波書店、1965年)285頁
  • 四宮和夫『民法講義(第4版補正版)』(弘文堂、1996年)206頁

判例[編集]

  1. 転付債権請求(最高裁判決 昭和52年03月17日)民法第466条民法第467条
    譲渡禁止の特約のある指名債権を譲受人が特約の存在を知つて譲り受けたのち債務者がその譲渡につき承諾を与えた場合と承諾後債権の差押・転付命令を得た第三者に対する右債権譲渡の効力
    譲渡禁止の特約のある指名債権を譲受人が特約の存在を知つて譲り受けた場合でも、債務者がその譲渡につき承諾を与えたときは、債権譲渡は譲渡の時にさかのぼつて有効となり、譲渡に際し債権者から債務者に対して確定日付のある譲渡通知がされている限り、債務者は、右承諾後に債権の差押・転付命令を得た第三者に対しても債権譲渡の効力を対抗することができる。

前条:
民法第118条
(単独行為の無権代理)
民法
第1編 総則

第5章 法律行為

第4節 無効及び取消し
次条:
民法第120条
(取消権者)
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