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民法第422条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法民法コンメンタール民法第3編 債権 (コンメンタール民法)

条文

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損害賠償による代位

第422条
債権者が、損害賠償として、その債権の目的である又は権利の価額の全部の支払を受けたときは、債務者は、その物又は権利について当然に債権者に代位する。

解説

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本条は、債務者が、債権者に対し、債務不履行による損害賠償(填補賠償)を履行したときは、債権の目的である物又は権利が当然に債務者に移転することを定める。

たとえば、寄託契約の受寄者が寄託物を盗まれ、寄託者に対して寄託物の価額を全部賠償したときは、盗品の所有権は、当然に受寄者に移転する。

  • 債権の目的である物又は権利
「債権の目的である物」とは、上記寄託契約の寄託物などをいう。「債権の目的である権利」とは、約束手形の保管者がこれを紛失した場合の手形上の権利などをいう。
  • 価額の全部
債権者が債権の目的である物又は権利の価額の「全部」について賠償を受けること(填補賠償)が必要である。
  • 支払を受けた
「支払を受けた」とは、弁済その他これと同視すべき事由(供託代物弁済相殺等)によって損害賠償請求権の満足を得たことをいう。
  • 代位の効果
債権の目的である物又は権利が債権者から債務者(賠償者)に当然に移転する。
債権の目的である物又は権利に代わるもの(損害賠償請求権等)を含む。たとえば、第三者が寄託物を破壊し、受寄者が寄託者に対して寄託物の価額を全部賠償したときは、寄託者の第三者に対する不法行為(所有権侵害)に基づく損害賠償請求権は、当然に受寄者に移転する。

参照条文

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  • 損害賠償
民法第415条(債務不履行による損害賠償)
保険法第25条(保険代位)

前条:
民法第421条
(賠償額の予定)
民法
第3編 債権

第1章 総則

第2節 債権の効力
次条:
民法第422条の2
(代償請求権)
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