民法第432条

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法学民事法コンメンタール民法第3編 債権

条文[編集]

履行請求

第432条
数人が連帯債務を負担するときは、債権者は、その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次にすべての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる。

解説[編集]

本条は、連帯債務の基本的効果を定める。

  • 連帯債務の意義
連帯債務とは、数人の債務者が、同一内容の給付について、各自が独立に全部の給付をすべき債務を負担し(全部給付義務)、しかもそのうちの一人の給付があれば他の債務者も債務を免れる(給付一倍額性)多数当事者の債務をいう。
  • 連帯債務の成立
連帯債務は、意思表示又は法律の規定によって成立する。意思表示も法律の規定もなければ、性質上可分であれば分割債務である。
  • 意思表示による連帯債務
当事者の契約等により成立する。
  • 法律の規定による連帯債務
例として、日常家事債務に関する夫婦間の連帯債務(民法第761条)、商行為による連帯債務(商法第511条)、違法配当における取締役等の連帯責任(会社法第462条)などが挙げられる。
  • 一人に対する請求
例えばA・B・Cの3人がDに対して60万円の連帯債務を負っている場合、債権者Dは、A・B・Cの誰に対しても、60万円全額(又は一部)の支払を求めることができる。
  • 全員に対する請求
債権者Dは、連帯債務者A・B・Cの全員に対し、それぞれ60万円全額(又は一部)の支払を求めることができる。
債権者Dが、Aに対し60万円全額の支払を求め、勝訴判決を得た場合でも、Dは更にBやCに対し60万円全額の支払を求めることができる。
ただし、Aから、勝訴判決に基づく強制執行で弁済を受けたり、任意の弁済代物弁済供託を含む)を受けた場合は、B・Cに対する関係でも債務は消滅する。
改正民法第432条
債務の目的がその性質上可分である場合において、法令の規定又は当事者の意思表示によって数人が連帯して債務を負担するときは、債権者は、その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次に全ての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる。

改正民法ではどのような場合に連帯債務とされるかも明らかにされ、連帯債務の定義規定としてふさわしい。

参照条文[編集]

  • 連帯債務の相対的効力の原則
民法第440条(相対的効力の原則)
  • 絶対的効力事由
民法第434条(連帯債務者の一人に対する履行の請求)
民法第435条(連帯債務者の一人との更改)
民法第436条(連帯債務者の一人による相殺等)
民法第437条(連帯債務者の一人に対する免除)
民法第438条(連帯債務者の一人との間の混同)
民法第439条(連帯債務者の一人についての時効の完成)

判例[編集]


前条:
民法第431条
(可分債権又は可分債務への変更)
民法
第3編 債権
第1章 総則
第3節 多数当事者の債権及び債務
次条:
民法第433条
(連帯債務者の一人についての法律行為の無効等)
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