民法第575条
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法学>民事法>民法>コンメンタール民法>第3編 債権 (コンメンタール民法)
条文
[編集](果実の帰属及び代金の利息の支払)
- 第575条
- まだ引き渡されていない売買の目的物が果実を生じたときは、その果実は、売主に帰属する。
- 買主は、引渡しの日から、代金の利息を支払う義務を負う。ただし、代金の支払について期限があるときは、その期限が到来するまでは、利息を支払うことを要しない。
解説
[編集]売買契約における、売買の目的物の果実及び代金の利息の分配方法について定めた規定である。原則として売買の目的物の引渡しの時期が基準となる。
原則として引渡しがあるまでは、売主は目的物から生ずる果実を取得する(1項)、一方、買主は代金の利息を支払わなくてよい(2項本文の反対解釈)と解されている。たとえ買主の代金支払債務が履行遅滞にあったとしてもこの原則は変わらないと解されている(大判大正4年12月21日)。というのも、売主は引渡しまでは果実収取権を有するのだから、この果実をもって遅延利息に代えるとして、簡易に決済することを定めたのが575条の趣旨であると解されるからである。
ただし、買主が代金の全額を支払ったときは、引渡し前でも果実の収取権は買主に移転すると解されている(大判昭和7年3月3日)。
参照条文
[編集]- 民法第177条(不動産に関する物権の変動の対抗要件)
- 民法第178条(動産に関する物権の譲渡の対抗要件)
- 民法第533条(同時履行の抗弁)
- 民法第534条(債権者の危険負担)
- 民法第536条(債務者の危険負担等)
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