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民法第665条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法コンメンタール民法第3編 債権 (コンメンタール民法)民法第665条

条文

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(委任の規定の準用)

第665条
第646条から第648条まで、第649条並びに第650条第1項及び第2項の規定は、寄託について準用する。

改正経緯

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2017年改正により以下の条項から改正。

第646条から第650条まで(同条第3項を除く。)の規定は、寄託について準用する。
  • 民法第648条の2」が新設されたが、同条は準用されないため表現を改めた(第650条については同旨を述べている)。

解説

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寄託における、委任の規定の準用。以下当てはめる。

  1. 受寄者による受取物の引渡しなど民法第646条準用)
    1. 受寄者は、寄託に当たって受け取った金銭その他の物を寄託者に引き渡さなければならない。その収取した果実についても、同様とする。
    2. 受寄者は、寄託者のために自己の名で取得した権利を寄託者に移転しなければならない。
  2. 受寄者の金銭の消費についての責任民法第647条準用)
    受寄者は、寄託者に引き渡すべき金額又はその利益のために用いるべき金額を自己のために消費したときは、その消費した日以後の利息を支払わなければならない。この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任を負う。
  3. 受寄者の報酬民法第648条準用)
    1. 受寄者は、特約がなければ、寄託者に対して報酬を請求することができない。 - 寄託は原始的には無償契約である
    2. 受寄者は、報酬を受けるべき場合には、寄託の履行後(=寄託物の返還後)でなければ、これを請求することができない。ただし、期間によって報酬を定めたときは、第624条第2項の規定(雇用契約における報酬の支払時期)を準用する。
      期間によって定めた報酬は、その期間を経過した後に、請求することができる。
    3. 受寄者は、次に掲げる場合には、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができる。
      1. 寄託者の責めに帰することができない事由によって寄託をすることができなくなったとき。
      2. 寄託の中途で終了したとき。
  4. 受寄者による費用の前払請求民法第649条準用)
    寄託について費用を要するときは、寄託者は、受寄者の請求により、その前払をしなければならない。
  5. 受寄者による費用等の償還請求等民法第650条準用)
    1. 受寄者は、寄託に必要と認められる費用を支出したときは、寄託者に対し、その費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる。
    2. 受寄者は、寄託に必要と認められる債務を負担したときは、寄託者に対し、自己に代わってその弁済をすることを請求することができる。この場合において、その債務が弁済期にないときは、寄託者に対し、相当の担保を供させることができる。

参照条文

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判例

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前条:
民法第664条の2
(損害賠償及び費用の償還の請求権についての期間の制限)
民法
第3編 債権

第2章 契約

第11節 寄託
次条:
民法第665条の2
(混合寄託)
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