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民法第797条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法コンメンタール民法第4編 親族 (コンメンタール民法)

条文

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(15歳未満の者を養子とする縁組)

第797条
  1. 養子となる者が15歳未満であるときは、その法定代理人が、これに代わって、縁組の承諾をすることができる。
  2. 法定代理人が前項の承諾をするには、養子となる者の父母でその監護をすべき者であるものが他にあるときは、その同意を得なければならない。養子となる者の父母で親権を停止されているものがあるときも、同様とする。
  3. 第1項の縁組をすることが子の利益のため特に必要であるにもかかわらず、養子となる者の父母でその監護をすべき者であるものが縁組の同意をしないときは、家庭裁判所は、養子となる者の法定代理人の請求により、その同意に代わる許可を与えることができる。同項の縁組をすることが子の利益のため特に必要であるにもかかわらず、養子となる者の父母で親権を停止されているものが縁組の同意をしないときも、同様とする。
  4. 第1項の承諾に係る親権の行使について第824条の2第3項に規定する請求を受けた家庭裁判所は、第1項の縁組をすることが子の利益のため特に必要であると認めるときに限り、同条第3項の規定による審判をすることができる。

改正経緯

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2024年改正

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第3項及び第4項を新設(2024年(令和6年)5月21日公布、施行日未定、公布より2年以内に施行する)。

2011年改正

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親権停止の審判の制度が設けられたことから、第2項後段の部分を追加。

解説

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養子となる者の承諾に関する規定。明治民法第843条を継承。なお、父母の同意については、明治民法第844条に別の観点から定められていた。

養子となる者が15歳未満であるときは、承諾権者は原則として子の法定代理人である。これを反対解釈すれば、15歳を超えれば、養子となるもの本人が承諾の意思表示をすることが可能であり、かつ、養子縁組には本人の承諾が必須となる。なお、養子となる者が未成年である場合、次条により、原則として家庭裁判所の許可を要するものとされているので、養子となる者の意思又はその法定代理人の承諾は裁判所において確認される。

第2項は養子縁組がなされると養親が親権者となり、監護権者は監護権を奪われることとなるので、その同意を得ることとされた。したがってその同意は元々親権を持っていた父母が監護権者を務める場合に限り必要となる。

法定代理人の他に「養子となる者の父母でその監護をすべき者」がある場合や親権が停止された父母がある場合、養子縁組には法定代理人の他その父母の同意が必要となる。

参照条文

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判例

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  1. 養子縁組無効確認請求 (最高裁判決 昭和27年10月03日)
    他人の子を実子として届け出た者の代諾による養子縁組の追認の許否
    1. 他人の子を実子として届け出た者の代諾による養子縁組も、養子が満15年に達した後これを有効に追認することができる。
    2. 右追認は、明示または黙示の意思表示をもつて養子から養親の双方に対し、養親の一方が死亡した後は他の一方に対してすればたりる。
  2. 養子縁組無効確認請求(最高裁判決 昭和39年09月08日)旧民法843条
    養子縁組の追認と民法第116条但書の類推適用の有無。
    養子縁組の追認には、民法第116条但書の規定は類推適用されないものと解するのが相当である。
    • 民法第116条
      追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない
    養子縁組の追認は身分行為であって、第三者の権利を害することがあっても、それを障害事由として追認が無効になることはない。害される第三者の権利の補償については別に議論される。

参考

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明治民法において、本条には以下の規定があった。趣旨は、民法第759条に継承された。

前条ノ規定又ハ契約ノ結果ニ依リ管理者ヲ変更シ又ハ共有財産ノ分割ヲ為シタルトキハ其登記ヲ為スニ非サレハ之ヲ以テ夫婦ノ承継人及ヒ第三者ニ対抗スルコトヲ得ス

前条:
民法第796条
(配偶者のある者の縁組)
民法
第4編 親族

第3章 親子

第2節 養子
次条:
民法第798条
(未成年者を養子とする縁組)
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