民法第87条
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法学>民事法>民法>コンメンタール民法>第1編 総則 (コンメンタール民法)
条文
[編集](主物及び従物)
- 第87条
- 物の所有者が、その物の常用に供するため、自己の所有に属する他の物をこれに附属させたときは、その附属させた物を従物とする。
- 従物は、主物の処分に従う。
解説
[編集]従物についての規定である。
参照条文
[編集]- 民法第85条(定義)
- 民法第86条(不動産及び動産)
- 民法第88条(天然果実及び法定果実)
- 民法第89条(果実の帰属)
- 建物の区分所有等に関する法律第15条(共用部分の持分の処分)
- 民法第370条(抵当権の効力の及ぶ範囲)
判例
[編集]- 建物収去土地明渡請求(最高裁判決 昭和40年05月04日) 民法第370条,民法第423条,民法第612条
- 土地貸借人が該地上の建物に設定した抵当権の効力は当該土地の賃借権に及ぶか
- 土地賃借人が該土地上に所有する建物について抵当権を設定した場合には、原則として、右抵当権の効力は当該土地の賃借権に及び、右建物の競落人と賃借人との関係においては、右建物の所有権とともに土地の賃借権も競落人に移転するものと解するのが相当である。
- 地上建物に抵当権を設定した土地賃借人は抵当建物の競落人に対し地主に代位して当該土地の明渡を請求できるか。
- 前項の場合には、賃借人は、賃貸人において右賃借権の移転を承諾しないときであつても、競落人に対し、土地所有者たる賃貸人に代位して右土地の明渡を請求することはできない。
- 土地貸借人が該地上の建物に設定した抵当権の効力は当該土地の賃借権に及ぶか
- 強制執行の目的物に対する第三者異議 (最高裁判決 昭和44年03月28日)民法第177条,民法第370条
- 宅地上の従物と抵当権の効力
- 宅地に対する抵当権の効力は、特段の事情のないかぎり、抵当権設定当時右宅地の従物であつた石燈籠および庭石にも及び、抵当権の設定登記による対抗力は、右従物についても生ずる。
- 建物明渡等(最高裁判決 平成2年04月19日)民法第370条
- ガソリンスタンドの店舗用建物に設定された抵当権の効力がその設定当時建物の従物であつた地下タンク、ノンスペース型計量機洗車機などの諸設備にも及ぶとされた事例
- ガソリンスタンドの店舗用建物に対する抵当権設定当時、建物内の設備と一部管によつて連通する地下タンク、ノンスペース型計量機、洗車機などの諸設備を右建物の敷地上又は地下に近接して設置し、これらを右建物に付属させて経済的に一体として右営業に使用していたなど判示の事情の下においては、右諸設備には、右建物の従物として抵当権の効力が及ぶ。
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