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民法第934条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法コンメンタール民法第5編 相続 (コンメンタール民法)

条文

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(不当な弁済をした限定承認者の責任等)

第934条
  1. 限定承認者は、第927条の公告若しくは催告をすることを怠り、又は同条第1項の期間内に相続債権者若しくは受遺者に弁済をしたことによって他の相続債権者若しくは受遺者に弁済をすることができなくなったときは、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。第929条から第931条までの規定に違反して弁済をしたときも、同様とする。
  2. 前項の規定は、情を知って不当に弁済を受けた相続債権者又は受遺者に対する他の相続債権者又は受遺者の求償を妨げない。
  3. 第724条の規定は、前二項の場合について準用する。

解説

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限定承認は、一種の清算手続であるので、公告等の手続きを怠ったり、不当な弁済が行われると相続が遂行できなくなるため、当該行為に関して、当該限定承認者はそれによって生じた損害を賠償する責任を負う。明治民法第1036条を継承。

関連条文

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参考

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明治民法において、本条には戸主権及び親権の後見人による代行に関する以下の規定があった。戸主権の代行は廃止削除され親権の代行の趣旨は、民法第867条に継承された。

  1. 被後見人カ戸主ナルトキハ後見人ハ之ニ代ハリテ其権利ヲ行フ但家族ヲ離籍シ、其復籍ヲ拒ミ又ハ家族カ分家ヲ為シ若クハ廃絶家ヲ再興スルコトニ同意スルニハ親族会ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス
  2. 後見人ハ未成年者ニ代ハリテ親権ヲ行フ但第九百十七条乃至第九百二十一条及ヒ前十条ノ規定ヲ準用ス

前条:
民法第933条
(相続債権者及び受遺者の換価手続への参加)
民法
第5編 相続

第4章 相続の承認及び放棄

第2節 相続の承認
次条:
民法第935条
(公告期間内に申出をしなかった相続債権者及び受遺者)
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