Wikijunior:太陽系/私たちの太陽系
私たちの太陽系(たいようけい)は約46億年前にガスやちりなどから誕生しました。現在、太陽系には8つの惑星(わくせい)がまわっています。
宇宙(うちゅう)や月(つき)、太陽(たいよう)やその他の星々のことを不思議(ふしぎ)だと考えたことがありますか?私達は長い間宇宙を眺め、地球の外側について理解しようと試みてきました。
惑星(わくせい)はガスや岩石でできた大きな球体の星で、私達はその中の一つであり太陽を周回している地球(ちきゅう)に暮らしています。他にも太陽の周りを最低でも7つの惑星と、多くの小さな流星が太陽を中心にして公転(こうてん)しています。太陽と太陽を中心としている惑星などの、これら全てを太陽系(たいようけい)と呼びます。
人類(じんるい)は、何千年もの昔は、たとえばアリスタルコスという人が「惑星は太陽の周りを回っている。」と主張しました。賛同者(さんどうしゃ)はいたものの、多くの人々は太陽系(すなわち地球以外の星)は地球の周りを周っていると信じていました。何故なら誰も地球が動いていると感じられなかったからです。
約500年前に、コペルニクスがアリスタルコスと同じく、宇宙で全ての惑星は太陽の周りを周っていると主張しました。その時には多くの人が同意しましたが反対派も根強くいました。そして約100年が過ぎ、ガリレオという男が新しい発明品である望遠鏡(ぼうえんきょう)で宇宙を観測し、惑星が太陽の周りを公転していることを証明しました。その時にはより多くの賛同者がガリレオに同意し、望遠鏡で天文を学ぶようになりました。ですが、反対派はガリレオを偽証罪(ぎしょうざい)で逮捕しました。賛同者は、みんなが、太陽系の星々が周っていることを学んでいたのでガリレオの説が真実であることを理解していました。アリスタルコスから数千年後に、ようやく人々は地球が動いていることを理解し、ガリレオの無実が証明されました。
今では私たちは巨大な望遠鏡で星々を観測でき、太陽系の星と遠く離れた星の映像を比較することもできます。また、宇宙に望遠鏡や宇宙飛行士を送り出す時代でもあります。これらの望遠鏡は惑星や太陽、その他の星々の写真を何千枚も撮り、これらの写真から私達は太陽系の様々な事柄を学び、太陽系がどのようにして始まったのかを理解しようと試みています。また、火星に遠隔操縦の写真撮影用ロボットを送り込んでいます。私たちは、こうした取り組みを続け、将来、太陽系や地球の今後を知りたいと考えています。
太陽系とは何か?
[編集]中心に他の星の何十億倍もの大きさの太陽があり、そこから離れている他の星々がちっぽけに見えます。太陽は熱(ねつ)やエネルギーを与えてくれるとても重要な星であり、太陽なくしては地球上には生物が存在出来なかったことでしょう。
太陽系で太陽の周りを公転している他の星々の中で、惑星は最大級の大きさです。いずれも地球に少し似ていますが、それぞれとても異なっています。
惑星の多くには、近くに衛星(えいせい)という星があります。衛星とは惑星を中心にして公転している星のことです。水星と金星には衛星がなく、地球には1つの衛星があり、木星には63個もの衛星があります。
太陽に近い惑星の水星、金星、地球、火星は内惑星(ないわくせい)と呼ばれています。その外側に惑星よりもはるかに小さい群星である大きな環の小惑星帯(しょうわくせいたい)があり、アステロイドベルト(asteroid belt)と呼ばれています。その中にはセレスという名の準惑星(じゅんわくせい)があります。その外側に木星(もくせい)、土星(どせい)、天王星(てんのうせい)、海王星(かいおうせい)である外惑星(がいわくせい)があり、更に外側には冥王星(めいおうせい)・エリス(Eris)・マケマケ(Makemake)・ハウメア(Haumea)の5つの準惑星があります。
これらの惑星は何千年もの昔にヨーロッパの人々に崇められてきたローマの神々にちなんで名付けられています。曜日もヨーロッパの古代神の名にちなんでいることをご存知でしょうか。土曜日(サタデー、Saturday)はSaturn day(サターンの日)、木曜日(サーズデー、Thursday)はThor dayで、Thorはオーディンの息子でヴァイキングの神です。また、月曜日(マンデー、Monday)と日曜日(サンデー、Sunday)はそれぞれMoon day(月の日)とSun day(太陽の日)に由来しています。月の名前もローマ神にちなんでいます。3月(March)は戦争の神であるMars(マルス)にちなんで名付けられています。 海王星の軌道より外側は小惑星帯のような大きな環で、エッジワース・カイパーベルト(以下、カイパーベルト)と呼ばれています。ジェラルド・カイパーという名の人が初めて指摘しました。カイパーベルトはほとんど望遠鏡で見ることができません。
カイパーベルトの外側は、彗星の出てくるところと考えられているオールトの雲(オールトのくも)です。ヤン・オールトという名の人が初めて指摘しました。太陽系の端にあり、太陽から冥王星までの距離の1000倍以上遠く離れています。
これらの間には塵(ちり)が宇宙に舞い、太陽の光で輝きます。
塵が地球の大気に触れると、流星(りゅうせい)や隕石(いんせき)として輝いて燃えます。
太陽から宇宙に太陽風(たいようふう)というガスの一種が流れ込み、太陽系の外側まで移動します。太陽風が到達する範囲を太陽圏、太陽地球間の約100倍の距離にある境界面をヘリオポーズと呼びます。
太陽系が安定しているわけは?
[編集]何故全惑星は太陽を、衛星は惑星を公転し、太陽は動かないのか?これらの解答は重力にあります。
私達は地球の重力により、太陽の重力に気づきませんが、太陽の重力は地球を公転軌道から外さないほど強く、例え地球の公転速度が速くても見えない紐で結ばれたかのように公転軌道を維持し続けるでしょう。それと同様に、衛星が惑星を公転するのも重力によるものです。太陽自体は同じ位置にいるわけではなく、太陽系全体が銀河の中心を運動しています。
質量について
[編集]物質により全ては構成され、その量を質量と呼びます。りんご2個は1個の2倍の質量を持ち、物質の質量の多さに従いその重力も強くなります。私達がりんごの重力に気が付かないのは地球の重力が強すぎるからです。りんごを手放すと重力が地球の中心に働き地面にぶつかります。もし真上にりんごを撃ち出すと、ロケットが宇宙飛行士を宇宙に連れていくように、りんごは地球軌道上に入ります。ですが、実際にりんごを力いっぱい真上に投げても力不足なので数十秒後には地面にぶつかります。
誰が発見したの?
[編集]空を見上げると、太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星の7つの輝きが見えます。古代の人々はこれらを神と関連付け、バビロン地方(今の中東で、イランのあたり。)ではこれらにちなんで週の日を命名しました。ほとんど全ての人がこれらの惑星は地球を公転していると考え、まだ太陽系の存在を知りませんでした。
約1500年にニコラウス・コペルニクスが、地球を公転しているのは月だけでその他の惑星は太陽を公転していると考えましたが、存命中は発表するのを恐れて没年1543年にその見解の根拠を出版しました。そしてガリレオ・ガリレイが木星を公転する衛星を望遠鏡で発見した時、コペルニクスは正しいと確信しましたが、科学者たちに理解させるまでに70年かかりました。
今では望遠鏡を用いて衛星や小惑星、エリスのような矮星などが発見され続けています。
どうやって調査したの?
[編集]望遠鏡が発明される前は、惑星が空をどのように動くか目で確かめ、星々の動きを予測していました。また、天文台(てんもんだい)を建てて太陽や惑星の位置を見ることで日時を調べました。中国では月食も確認されており、天体により戦争や平和がもたらされると考えられていました。
望遠鏡が発明されると、人々は夜空を目で探索しました。天文学者は惑星は星とは違い地球と同じように世界の1つだと考えていました。いくつかの惑星に衛星があることも確認され、人々は他の惑星や衛星での異世界への想像をふくらませました。やがて望遠鏡の改良が進み、月や火星に動植物がいないことが確認されました。
現在では他の惑星を探検することもできるようになりました。約50年前には12人の宇宙飛行士が月を歩き、地球に月の土や石を持ち帰りました。宇宙船は水星や火星などにも到着し、写真や映像、土壌の成分分析を地球に送信したりすることで私たちの研究に役立てています。1971・1976・1997年に写真撮影用ロボットが火星に到着し、2021年7月現在、米国のキュリオシティとパーサヴィアランス、それに中国の祝融の3機の火星探査車が稼働している。
今まででは地球以外の生命体は確認していませんが、もしかしたら火星に微生物がいるかもしれないし、木星の衛星エウロパの氷に生物がいるかもしれません。宇宙探査機は今でも生命体を探し続けています。
どのようにしてできたの?
[編集]太陽系は天の川銀河の1部分です。銀河はチリやガス、星々などの集合体であり、その中心にはチリやガスの雲があり、星が生まれています。太陽系もその生成物の1つです。雲の一部は小さくなると共に拡散しなくなり、ガスとチリでできた巨大な円盤状になり回転します。この円盤は中心部が最も厚く、太陽ができるまで静かに崩壊しています。惑星の起源については未だに研究中であり、多くの専門家が残されたガスやチリによって惑星が作られたと考えています。
円盤状のその他の中身は太陽を公転し、やがてチリの粒が徐々に集まり砂利や小石、岩石となり惑星の山に衝突することで合体します。
太陽は崩壊するとともに熱くなり、膨張を続けます。中心は100万度に達し、多量の光熱を生み出します。この光熱は毎日地球に届く日光であり、内惑星のチリやガスの大部分を吹き飛ばしています。
今後はどうなるの?
[編集]50億年後には太陽内の水素を使い果たし、太陽の中心が小さくなると共に熱くなります。また、外側は今よりも膨張し続け赤色巨星(せきしょくきょせい)となります。
そうなると水星や金星、地球も飲み込まれ燃え尽きます。惑星が飲み込まれるかどうかは太陽の質量しだいです。太陽風が強く吹き荒れると太陽の質量も減り、太陽の重力も減るので全惑星が太陽から離れていきます。
赤色巨星となりしばらく経つと、ヘリウムを燃焼し収縮し、赤色巨星でなくなります。ヘリウムを消費し尽くす約10億年後に再び赤色巨星となり、数十万年はガスが吹き続けます。
そして惑星状星雲が形成され、数千から数万年持続します。
その中心では太陽が収縮した結果、白色矮星(はくしょくわいせい)になり、地球ほどの大きさになります。