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住宅の品質確保の促進等に関する法律第95条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学コンメンタール住宅の品質確保の促進等に関する法律住宅の品質確保の促進等に関する法律第95条

条文

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(新築住宅の売主の瑕疵担保責任の特例)

第95条  
  1. 新築住宅の売買契約においては、売主は、買主に引き渡した時(当該新築住宅が住宅新築請負契約に基づき請負人から当該売主に引き渡されたものである場合にあっては、その引渡しの時)から十年間、住宅の構造耐力上主要な部分等の瑕疵について、民法第415条第541条第542条第562条及び第563条に規定する担保の責任を負う。
  2. 前項の規定に反する特約で買主に不利なものは、無効とする。
  3. 第1項の場合における民法第566条の規定の適用については、同条中「種類又は品質に関して契約の内容に適合しない」とあるのは「住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成十一年法律第八十一号)第95条第一項に規定する瑕疵がある」と、「不適合」とあるのは「瑕疵」とする。

改正経緯

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2017年民法改正に伴い、適用する民法条項の対応を改正。

改正前第1項は以下の通り(下線部が改正箇所)。

新築住宅の売買契約においては、売主は、買主に引き渡した時(当該新築住宅が住宅新築請負契約に基づき請負人から当該売主に引き渡されたものである場合にあっては、その引渡しの時)から十年間、住宅の構造耐力上主要な部分等の隠れた瑕疵について、民法第570条において準用する同法第566条第1項 並びに同法第634条第1項及び第2項前段に規定する担保の責任を負う。この場合において、同条第1項及び第2項前段中「注文者」とあるのは「買主」と、同条第1項中「請負人」とあるのは「売主」とする。
改正前は新築住宅の売買契約に関する「隠れた瑕疵(引き渡し時に「買主・注文主」が認識していなかった瑕疵)」については、旧民法第570条(瑕疵担保責任)及び旧民法第634条(請負人の責任)が適用され、かつ、その有効期間は特約がなければ、旧第570条が準用する旧民法第566条第3項に定める1年間ではなく、10年が適用される(第2項で短縮不可)旨定められていた。2017年民法改正に伴い、旧来の瑕疵担保責任について、対象は、「隠れた瑕疵」のみならず「契約の不適合一般」に、効果として「損害賠償請求権」「解除権」「追完請求権」及び「代金減額請求権」の発生が明確に概念されたことにより、適用条項等につき改正された。

改正前第3項は以下の通り(下線部が改正箇所)。

第1項の場合における民法第566条第3項の規定の適用については、同項中「前二項」とあるのは「住宅の品質確保の促進等に関する法律第95条第1項」と、「又は」とあるのは「、瑕疵修補又は」とする。

解説

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前条が、新築住宅を請負建築の場合であるのに対して、本条は、新築住宅に関する売買契約に関して定める。

「住宅の構造耐力上主要な部分等の瑕疵(2017年改正改正において「(隠れたる)瑕疵」概念は、概ね民法第566条に定める「種類又は品質に関して契約の内容に適合しない」こと、即ち「契約不適合」概念となったが、本法においては、継続して「瑕疵」の語を用いる。第3項参照)」については、一定期間(瑕疵担保期間)、品質を担保する義務を認め、その期間も一般的な契約不適合責任期間の1年よりも相当に長期期間である10年を定めている。。

瑕疵が発見されたときに認められる権利は以下のもの。適用については、瑕疵の度合い及びそれに対する売主の態様により、各々認められる。

特約がなければ、瑕疵担保期間は、「買主に引き渡した時(一般に『工事完了済証』交付年月日)」から10年間である。なお、この期間は特約により変えることができるが、第2項により買主に不利となる短縮はできないため、10年以上となる一方で、第97条で20年を超えることはできない。

買主はその不適合を知った時から一年以内にその旨を請負人に通知しないときは、その不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない(民法第566条)。

参照条文

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判例

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前条:
第94条
(住宅の新築工事の請負人の瑕疵担保責任)
住宅の品質確保の促進等に関する法律
第7章_瑕疵担保責任
次条:
第96条
(一時使用目的の住宅の適用除外)
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