民法第895条
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法学>民事法>コンメンタール民法>第5編 相続 (コンメンタール民法)
条文
[編集](推定相続人の廃除に関する審判確定前の遺産の管理)
- 第895条
- 推定相続人の廃除又はその取消しの請求があった後その審判が確定する前に相続が開始したときは、家庭裁判所は、親族、利害関係人又は検察官の請求によって、遺産の管理について必要な処分を命ずることができる。推定相続人の廃除の遺言があったときも、同様とする。
- 第27条から第29条までの規定は、前項の規定により家庭裁判所が遺産の管理人を選任した場合について準用する。
解説
[編集]推定相続人の廃除又はその取消しについて係争中に相続が開始した場合、相続人が確定しないため、親族、利害関係人又は検察官の請求によって、廃除がなく当該推定相続人があったものとして、遺産を管理することができる。なお、この請求は当該推定相続人はできない。廃除が確定した場合、当該推定相続人に分割された遺産については他の相続人により改めて分割し、廃除が否認又は取り消された場合は、当該推定相続人に相続させることとなる。明治民法において旧・第1000条にて準用する旧・第978条を継承する。
家庭裁判所は、この遺産管理に関して不在者財産管理人に準じた管理人を選任することができる。
- 準用のあてはめ
- 管理人の職務(民法第27条 - 第2項不適用)
- 管理人は、その管理すべき財産の目録を作成しなければならない。この場合において、その費用は、当該推定相続人の想定される相続財産(管理財産)の中から支弁する。
- 前項に定めるもののほか、家庭裁判所は、管理人に対し、管理財産の保存に必要と認める処分を命ずることができる。
- 管理人の権限(民法第28条 - 後段不適用)
- 管理人は、第103条に規定する権限を超える行為(保存行為、利用改良行為)を必要とするときは、家庭裁判所の許可を得て、その行為をすることができる。
不在者の生死が明らかでない場合において、その管理人が不在者が定めた権限を超える行為を必要とするときも、同様とする。
- 管理人は、第103条に規定する権限を超える行為(保存行為、利用改良行為)を必要とするときは、家庭裁判所の許可を得て、その行為をすることができる。
- 管理人の担保提供及び報酬(民法第29条)
- 家庭裁判所は、管理人に財産の管理及び返還について相当の担保を立てさせることができる。
- 家庭裁判所は、管理人と当該推定相続人との関係その他の事情により、管理財産の中から、相当な報酬を管理人に与えることができる。
参照条文
[編集]参考
[編集]明治民法において、本条には以下の規定があった。趣旨は、民法第833条に継承された。
- 親権ヲ行フ父又ハ母ハ其未成年ノ子ニ代ハリテ戸主権及ヒ親権ヲ行フ
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