刑法第27条
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条文
[編集](刑の全部の執行猶予の猶予期間経過の効果)
- 第27条
- 刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消されることなくその猶予の期間を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う。
改正経緯
[編集]2022年改正
[編集]2022年改正により、第2項以下を新設追加。施行日については未定(2022年10月3日時点)。
- 刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消されることなくその猶予の期間を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う。
- 前項の規定にかかわらず、刑の全部の執行猶予の期間内に更に犯した罪(罰金以上の刑に当たるものに限る。)について公訴の提起がされているときは、同項の刑の言渡しは、当該期間が経過した日から第4項又は第5項の規定によりこの項後段の規定による刑の全部の執行猶予の言渡しが取り消されることがなくなるまでの間(以下この項及び次項において「効力継続期間」という。)、引き続きその効力を有するものとする。この場合においては、当該刑については、当該効力継続期間はその全部の執行猶予の言渡しがされているものとみなす。
- 前項前段の規定にかかわらず、効力継続期間における次に掲げる規定の適用については、同項の刑の言渡しは、効力を失っているものとみなす。
- 第2項前段の場合において、当該罪について拘禁刑以上の刑に処せられ、その刑の全部について執行猶予の言渡しがないときは、同項後段の規定による刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消さなければならない。ただし、当該罪が同項前段の猶予の期間の経過後に犯した罪と併合罪として処断された場合において、犯情その他の情状を考慮して相当でないと認めるときは、この限りでない。
- 第2項前段の場合において、当該罪について罰金に処せられたときは、同項後段の規定による刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消すことができる。
- 前2項の規定により刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消したときは、執行猶予中の他の拘禁刑についても、その猶予の言渡しを取り消さなければならない。
2013年改正
[編集]2013年改正により、「刑の一部の執行猶予」制度が導入され、改正前の「執行猶予」は「刑の全部の執行猶予」と概念されることとなったことに伴い、以下のとおり改正。
- 見出し
- (改正前)猶予期間経過の効果
- (改正後)刑の全部の執行猶予の猶予期間経過の効果
- 本文
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- (改正前)刑の執行猶予の言渡しを
- (改正後)刑の全部の執行猶予の言渡しを
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- (改正前)猶予の期間
- (改正後)その猶予の期間
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解説
[編集]本条は、執行猶予の期間を経過した場合の効果について定めた規定である。
関連条文
[編集]判例
[編集]- 刑の執行に対する異議申立却下決定に対する即時抗告棄却決定に対する特別抗告(最高裁判決 昭和40年09月08日)刑訴法第434条,刑訴法第424条
- 刑の執行猶予取消決定に対する即時抗告棄却決定の告知後、特別抗告提起期間の満了前に猶予期間が経過した場合と刑の執行
- 刑の執行猶予取消決定に対する即時抗告棄却決定が、刑の言渡を受けた者に告知された後特別抗告提起期間の満了前に、猶予期間が経過した場合においても、右決定の執行停止がなされない限り、その告知により執行猶予取消の効果が発生し、刑の執行をなし得る。
- 賍物収受、賍物故買、賍物牙保、賍物寄蔵(最高裁判決 昭和45年09月29日)刑法第45条
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