民法第34条
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条文
[編集](法人の能力)
- 第34条
- 法人は、法令の規定に従い、定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。
改正経緯
[編集]2006年改正により、民法第43条より、以下の箇所を改正し移動。
- (改正前)定款又は寄附行為で定められた目的の範囲内において、
- (改正後)定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において、
本条にあった以下の条文は、趣旨を前条第2項に吸収させた。
- (公益法人の設立)
- 学術、技芸、慈善、祭祀、宗教その他の公益に関する社団又は財団であって、営利を目的としないものは、主務官庁の許可を得て、法人とすることができる。
解説
[編集]- 法人の権利能力及び行為能力に関する規定。
- 「法人の権利能力が定款所定の目的に限定される」という、いわゆる、ウルトラ・ヴィーレス(ultra vires)の法理を規定する。
参照条文
[編集]- 会社法第27条(定款の記載又は記録事項)
- 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第11条([一般社団法人の]定款の記載又は記録事項)
- 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第153条([一般財団法人の]定款の記載又は記録事項)
判例
[編集]- 約束手形金請求(最高裁判決 昭和44年04月03日)手形法第77条1項1号,手形法第17条,民法第93条,農業協同組合法第10条
- 手形行為は農業協同組合の目的たる事業の範囲に含まれるか
- 手形行為は、農業協同組合の目的たる事業の範囲に含まれる。
- 法人の行為が当該法人の目的の範囲内に属するかどうかは、上告組合のように営利を目的としない法人にあつても、その行為が法人としての活動上必要な行為でありうるかどうかを客観的、抽象的に観察して判断すべきものであるから、法人のした手形行為についてこれを決する場合においては、その原因関係をも含めて判断すべきものではなく、手形行為自体を標準として判断すべきものと解するのが相当である。しかるところ、原審の確定したところによれば、上告組合は、その活動のため現に金銭取引を営んでいるというのであるから、右金銭取引の手段である手形行為をすることも当然に上告組合の目的の範囲内に属するというべきである。
- 土地建物所有権移転登記抹消登記手続等請求(通称 岡山労働金庫貸付) 昭和44年07月04日 (最高裁判所判例集) 民法第1条,民法第43条,労働金庫法58条
- 労働金庫の会員外の者に対する貸付の効力
- 労働金庫の会員外の者に対する貸付は無効である。
- 員外貸付が無効とされる場合に債務者において右債務を担保するために設定された抵当権の実行による所有権の取得を否定することが許されないとされた事例
- 労働金庫の員外貸付が無効とされる場合においても、右貸付が判示のような事情のもとにされたものであつて、右債務を担保するために設定された抵当権が実行され、第三者がその抵当物件を競落したときは、債務者は、信義則上、右競落人に対し、競落による所有権の取得を否定することは許されない。
- 労働金庫の会員外の者に対する貸付の効力
- 取締役の責任追及請求(八幡製鉄事件 最高裁判決 昭和45年06月24日)民法第644条,商法166条1項1号,商法254条ノ2,商法254条3項,憲法3章
- 政治資金の寄附と会社の権利能力
- 会社による政治資金の寄附は、客観的、抽象的に観察して、会社の社会的役割を果たすためになされたものと認められるかぎり、会社の権利能力の範囲に属する行為である。(詳細は憲法第3章)
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