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民法第5条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法民法コンメンタール民法第1編 総則 (コンメンタール民法)

条文

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未成年者法律行為

第5条
  1. 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
  2. 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
  3. 第1項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。

解説

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未成年者の法律行為の制約とその範囲を定めた規定。

法定代理人

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未成年者においては、以下の者が法定代理人となる。

  1. 親権者民法第818条
    離婚に際しては、協議等で定められた父母の一方(民法第819条
  2. 親権者を欠く場合は未成年後見人(民法第838条1号)

同意の付与

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本人の法律行為に対して、同意を与えるものであり、本人に代って法律行為を行なうもの(代理行為)ではない。すなわち、本人の有効な意思表示が必要であって、法定代理人が、当該未成年者の意思に反して(主に財産上の)義務を負わせることはできない。また、当該未成年の意思の発露は真意によることを要する。従って、幼児(概ね10歳程度まで)などの意思表示は、当該法律行為の意味を理解してなされたものであるかの判断が非常に難しいため、事実として幼児などが法律行為の主体となる局面はほとんどないこととなる。

参照条文

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英文出典等

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(Juristic Act of Minors)

Article 5 A minor must obtain the consent of his/her statutory agent to perform any juristic act; provided, however, that, this shall not apply to an act merely intended to acquire a right or to be relieved of a duty.
(2) A juristic act in contravention of the provision of the preceding paragraph may be rescinded.
(3) Notwithstanding the provision of paragraph 1, in cases the statutory agent permits the disposition of property by specifying the purpose thereof, a minor may freely dispose of the same to the extent of such purpose. The same shall apply in cases his/her statutory agent permits the disposition of the property without specifying any purpose.

前条:
民法第4条
(成年)
民法
第1編 総則

第2章 人

第3節 行為能力
次条:
民法第6条
(未成年者の営業の許可)
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