民法第6条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
Jump to navigation Jump to search

法学民事法民法コンメンタール民法第1編 総則 (コンメンタール民法)>民法第6条

条文[編集]

未成年者の営業の許可

第6条

  1. 一種又は数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する
  2. 前項の場合において、未成年者がその営業に堪えることができない事由があるときは、その法定代理人は、第四編(親族)の規定に従い、その許可を取り消し、又はこれを制限することができる。

解説[編集]

未成年者は、法定代理人の同意によらなければ法律行為をすることはできない(民法第5条1項本文)。これが原則である。

そして「未成年者がその営業に堪えることができない事由があるとき」に「その許可を取り消す」ことができると定めている。

取消事由は「営業に堪えることができない事由があるとき」に限定されると解釈されている。なぜなら取引の相手方保護の必要があるからである。つまり、法定代理人が児童労働を一度でも許可すれば、この事由がない限り児童労働から引き離すことはできないのである。

さらに、民法は営業の許可について、本条で具体的な規定を定めた。条文の具体的な意味・内容について解説する。

6条1項[編集]

(1)「一種又は数種の営業を許可された」
法定代理人が許可する営業は、一定の内容に特定されたものでなくてはならず、対象を示さずにすべての営業行為を許可することはできない。法定代理人の関与により、未成年者の不完全な行為能力を補完し、取引社会からの保護を図るという制限行為能力者制度の趣旨を没却しないためである。
もちろん具体的に営業内容が特定されてさえいれば、複数の営業を許可することは差し支えない。条文上も「数種の」と規定されているところである。
(2)「その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する」
営業を許可された未成年者も、すべてについて完全な行為能力が認められるわけではない。許可があった営業についてのみ、成年者と同一の行為能力が認められるにすぎないのである。例えば、法定代理人の許可を得たうえで、未成年者がラーメン屋を営むという事例について考えると、麺の売買契約、店舗の賃貸借契約、運営資金の借り入れなどについては、当該未成年者において単独で有効な契約が締結できるであろう。この場合には、もはや制限行為能力を理由とする取消は認められない(取消について民法第5条2項参照)。「成年者と同一の行為能力を有する」ためである。そもそも、許可のある営業について未だ取り消しうる行為となるのでは、取引の相手方は警戒し、営業が成り立たないであろう。
他方、婚姻(民法第737条1項)や、営業とは無関係の売買契約等(例えば、スポーツカーを購入する行為)については、営業の許可とは無関係であるから、やはり法定代理人の同意を必要とする。
なお、飲酒・喫煙については、取引社会とは全く別の観点から法が禁止するもの(後見的・政策的観点から、未成年者の健全な育成を実現するための規制)であるから、本条の規定とは無関係である。

6条2項[編集]

(1)「未成年者がその営業に堪えない事由があるとき」
6条2項は、一旦許可された営業について、許可を取り消すことを認めている。営業に堪えない事由については、法定代理人があらゆる事情を考慮して、自由に判断することができる。未成年者の営業が例外的に認められるものであるから(原則的には、単に権利を得または義務を免れる行為のほかは、法定代理人の同意を必要としている。5条1項)、当然の規定ともいえる。
(2)「その許可を取り消し、又はこれを制限することができる」
法文は「取り消し」と規定するが、これは撤回の趣旨と考えるべきである。すなわち、本条の取り消しは将来において効力を発揮するにすぎず、営業許可の取り消し以前の営業行為には、効力が及ばない。営業許可の取り消し以前にあっては、「成年者と同一の行為能力」を以て行われるのであるから、その法律行為には瑕疵が存在しないためである。
なお、この取り消しの効力を第三者に対抗するには、別途登記による公示が必要とされる。
制限も、将来において効力を有する。上記と同様の理由に基づいている。なぜなら、制限は、実質的にみると一部の取り消しと同じであり、効力も共通するからである。  

参照条文[編集]


前条:
民法第5条
(未成年者の法律行為)
民法

第1編 総則
第2章 人
第2節 行為能力

次条:
民法第7条
(後見開始の審判)
このページ「民法第6条」は、書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にノートへどうぞ。